【はじめての量子化学 量子力学が解き明かす化学の仕組み】
平山 令明 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4065152135/
○この本を一言で表すと?
量子化学について基礎から学べ、量子化学計算ソフトの活用まで案内する本
○よかったところ、気になったところ
・分子軌道法で各軌道のエネルギーを計算でき、電子の数からHOMO(最高被占分子軌道)とLUMO(最低非占分子軌道)がわかること、分子の中の原子間の距離や各原子のエネルギーもわかること、それらがわかると構造もわかり、生成物から反応物へのプロセスもわかる、というのはすごいなと思いました。
・熱で反応する時はHOMOで、光で反応する時はLUMOで反応し、熱と光で反応物が異なることに驚きました。
・半経験的分子軌道法計算プログラムのフリーソフトがあり、それを使うと本書で出てきた分子の軌道やそのエネルギーが算出されて驚きました。
○つっこみどころ
・まえがきで、「化学の苦手な人や、高等学校で化学を学んだことのない人にも十分配慮してやさしく書きましたので、・・・」と書いていましたが、これらの人が理解するのは難しい本ではないかと思いました。