ゼミナール経営学入門 第3版
伊丹 敬之 (著), 加護野 忠男 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532132479/
第12章<計画とコントロール:プロセスとシステム>
○人々が行う計画とコントロールのプロセス
・組織の階層の各段階に応じてPDSC(PDCA)
・計画の個人的意義(考えるための計画づくり)
・コントロールの個人的意義(「制御のため」と「影響のため」)
・コントロールのプロセス
(制御としてのコントロール)
何かの制御行動をとる⇒その行動の結果として生まれる成果を測定、観察する
⇒観察された成果をあるべき基準と比べて、評価する
(影響としてのコントロール)
目標とすべき成果水準を決める⇒部下が仕事の制御活動を実行する⇒一定の期間の後にその期間成果の測定、観察をする⇒その成果を評価基準と比較して、上司が評価する⇒その評価にもとづいて上司は報償あるいはペナルティーを決める
○計画コントロールシステムの意義
・膨大なプロセス集積体の中の情報の流れ
・計画とコントロールの組織的意義
○計画コントロールシステムの設計
・計画システムの設計
計画の主体、計画の具体性、計画の修正のサイクル、業績評価との連結、計画のフォーマット
・コントロールシステムの設計
目標となるべき変数、その測定法、事前の基準値の決定方式、成果測定の結果のコミュニケーションの仕方、事後的な評価基準の決定方式
・計画とコントロールの逆機能
<演習問題>
1.計画と業績評価の連動が必要な理由。また、なかなか連動されることが少ない理由
計画に合わせて実行するためのコントローラーとして、業績評価の連動が必要となる。「何をすれば評価されるか」が明確となっていて、それが計画に沿っていれば、被評価者は計画に沿って行動する。
但し、計画と業績評価の連動は「計画に沿った評価軸の設定自体が困難」「計画に変更があったときに業績評価方法まで変更することが困難」などの理由で難しい。
2.企業の予算制度の具体例を調べ、予算制度が計画とコントロールのためにどのような役割を果たしているのか・果たしていないのか。そうした役割について、企業の予算制度と官庁の予算制度でどう違うのか。
費用のほとんどが人件費であるA社では、予算とは、どのジョブにどれだけのリソース(人員の時間)を投入するか、どれだけを新規業務の営業にリソースを配分するか、でしかなく、計画とコントロールの役割は果たしていない。
企業の予算制度は利益の向上を目指して運用され、官庁の予算制度は各官庁の義務として必要な業務を着実に実行するために運用される。
3.計画とコントロールの順機能と逆機能をあらためてまとめる。順機能と逆機能のトレードオフをどの様に判断すべきか、それに影響しそうな要因をあげる。
⇒P.342~344の通り