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ゼミナール経営学入門 「第3章 競争優位とビジネスシステム」

ゼミナール経営学入門 第3版
伊丹 敬之 (著), 加護野 忠男 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532132479/

第3章<競争優位とビジネスシステム>

1.二つのレベルの競争優位

○二つのレベルの競争

・顧客との接点での差別化の競争(第2章の内容)

・顧客との接点にいたるまでの競争(本章の内容)
⇒業務活動の流れ⇒バリューチェーン(P.71)
ビジネスシステムの場合、差別化のポイントの決定は容易だが、経済的な採算をとりながら実行するためのシステムづくりは困難
⇒競争相手がまねることのできない長期的な優位に

○ビジネスシステムの多様性と日本の系列化

独自のビジネスシステムを構築したため、顧客との接点での差別化でリードされても後から挽回できた企業が多い。
※成功した企業にトヨタ、ソニー、松下電器、資生堂、日本コカ・コーラ、IBMを挙げ、うまくいっていない企業にアマゾンを挙げている⇒若干情報が古い。
業種が異なる場合、また同業種でも業態が異なる場合はビジネスシステムが異なる。
※日本の系列システムをクローズアップ⇒これも販売が頭打ちになった場合にはデメリットになり得る。

2.ビジネスシステムの構築

○ビジネスシステムの基本的決定(三つの大きな決定)

 ①分業関係の構造の決定⇒どの活動を自社で担当し、どの活動を他者に任せるか。また、その他者に任せた関係をどのような関係にするか。(長期継続、都度相見積もり)

 ②情報、モノ、カネの流れの仕組みの決定⇒各要素を連動(コンビニ、SPA企業など)

 ③調整と規律のメカニズムの工夫⇒外部条件の変更をビジネスシステムに反映する仕組み。

○ビジネスシステムの優劣の判断基準

有効性、効率性、模倣の困難性(P.80)
有効性と効率性はトレードオフの関係にあることが多い⇒バランスが重要
模倣の困難性は見えるシステムだけではなく、見えないシステムで構築されやすい。
(見た目でわからないため)
またビジネスシステムの運用において現場学習と実験が行われ、さらに独自情報を生み出す。

○ビジネスシステムと見えざる資産の双方向関係

・ビジネスシステムのよさを背後で支えているものの多くは見えざる資産である。

・ビジネスシステムの構築の仕方が見えざる資産の蓄積を左右する。

3.競争ドメイン

○「面」の戦略としての競争ドメイン

競争のための戦略とは、
 ①どんな製品・市場のセグメントを事業対象とするか
 ②その製品・市場で、どのような差別化をするか
 ③その差別化のために、どのようなビジネスシステムを構築するか
①と③を軸にすると競争ドメインとなる。(P.86)
⇒掛け算で取り得る手段が増えることになる⇒但し、必要な資源投入も増える。

○ビジネスシステムの変化と競争ドメインの変化

圧倒的優位を築き上げた企業が、新しい変化に対して脆さをみせることがある。

三つの理由

・既存のビジネスシステム以外の仕方を考えなくなる。

・既存のビジネスシステムの既得権者が障害となる。

・既存システムの心地よさが組織内の企業家精神を弱める。

二つのインパクト

・ビジネスシステムの変化が事業分野・製品市場の差別化の可能性を根本的に変化させる。

・一つの分野でビジネスシステムを作ることができた企業に、他の事業分野への進出可能性が生まれ、業界の境界を越えた融業化が起こり得る。⇒業界構造の変化がおこる。

※スピードの経済(P.89)

スピードの四つのメリット

①スピードそのものが競争優位の源泉となる。

②情報を利用することで在庫回転率を上昇させ、投資効率を高めることができる。

③売れ残りのロスを少なくできる。

④実験コストの削減


<演習問題>

1.宅配便、コンビニの密度発展 ⇒ インターネットを使った小売業のビジネスシステム

  宅配便、コンビニがあまりない国でのB2Cのビジネスシステムとの違い
発展型は・・・インターネットを使った小売業のビジネスシステム(ネット注文と発送が連動)
宅配便、コンビニがあまりない国の場合、情報流が流れても物流が流れにくいので上記発展型にはなりづらい。

2.アウトソーシングのメリット、デメリット

メーカーにとって、経理業務のそれと、設計業務のそれでどのような戦略的重要性の違いを持つか
・バリューチェーン上の位置づけ:経理業務は支援活動、設計業務は主活動
 ⇒経理業務はそれ自体で価値を生むとは考えにくい⇒競争力の源泉となりにくい⇒デメリット低
 ⇒設計業務は自社のバリューチェーンの一角をなし、競争力の源泉となる(創意工夫、改善等)⇒デメリット高

3.競争のドメインの広さが、どのような論理で競争の手段の武器の多様性、懐の深さにつながるか?

・製品・市場:数が増えれば各製品、市場により打つ手を変えたり、異なる要素を組み合わせたりすることが可能

・バリューチェーン:各段階での工夫が可能。

・ドメイン全体:広ければ様々な形に変更できるが、狭ければ変更の余地が小さい。