【歴史とは何か】レポート

【歴史とは何か】
E.H. カー (著), 清水 幾太郎 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4004130018/

○この本を一言で表すと?

 歴史と歴史家の定義について述べた本

○考えたこと

・「ブラック・スワン」でタレブ氏がこの本を名指しで否定していて、その理由を、現在から過去にさかのぼることがいかに困難かを「水たまりから元の氷の形(氷以外かもしれない)を予測する困難さ」で例示して否定していましたが、この本はどちらかといえばタレブ氏と同じように歴史の本で述べていることは「仮説」だと認めている立場だと思いました。
タレブ氏がこの本をあまり読み込んでいなかったのでしょうか。

・歴史の「もしも」を語る「未練学派」への批判、生物学的な進化とその進化のない状態でも技術や歴史を積み上げる進歩の違い、「歴史家」と「歴史的事実」の距離と歴史家の主観の関係などについての話は興味深く読めました。

○つっこみどころ

・「50年間全世界で読み継がれる必読書」「世界の見え方が変わる」という帯の文句やいろいろな本で引用されていることからかなりの期待を込めて読み始めましたが、読みにくい上にそれほど大したことが書かれていないような気がしました。
自分の読解力が足りないのかもしれませんが。読むのに時間がかかった割には得るものが少なかったです。

・「平和主義とは何か – 政治哲学で考える戦争と平和」を読んでいて何度かE.H.カーや「歴史とは何か」が出てきたので関連があるかと思って読み始めましたが、特には重なるところが見つかりませんでした。

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