【一生モノの物理学 文系でもわかるビジネスに効く教養】レポート

【一生モノの物理学 文系でもわかるビジネスに効く教養】
鎌田 浩毅 (著), 米田 誠 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4396617410/

○この本を一言で表すと?

 高校レベルの物理学を分かりやすい例とともに紹介した本

○よかったところ、気になったところ

・高校レベルの物理学と医療や日常における原理を組み合わせて、物理学を学べばどういったことが理解できるようになるのかが分かりやすく紹介されていました。

・公式や数式などは少なめで、文系の人でも受け入れやすいように構成されていたと思います。

医療の中の物理学(第1講~第4講)

・水晶体の視覚における役割についてレンズだからという単純な理解しかありませんでしたが、水晶体の操作で遠近に対して使い分けられていること、回折等の原理が適用されていることなど、詳しく知ることができてよかったです。

・光ファイバーについては今年受験した電気通信主任技術者(線路分野)の試験の中心テーマだったのでまだ記憶に残っていて、ここだけは予め習熟している内容だったなと思いました。

・CTの計算の仕組みはとてもロジカルで合理的であるように思えました。
基本原理が単純なのに仕組みで高度な画像処理を可能としているのはすごいなと思いました。

日常の中にある物理学(第5講~第11講)

・第5講から第11講までの内容は一般にも結構知られていることが多かったですが、ジェットエンジンの構造やリニアモーターカーの構造なども詳しく紹介されていて面白かったです。

特別講義 社会人のための物理の学び方

・「棚上げ法」や「不完全法」は、理系の分野を大人になってから勉強し始めたときに確かに効果的だったように思えました。
法律の勉強などに慣れていて、理論や根拠をしっかり頭に入れてから応用に進むやり方だとなかなか頭に入らなかったように思います。
仕事を進める上でも全てではないですが、種類によっては通用する方策だと思いました。

・まず操作に習熟するため問題を解く、というのも効果的だと思えました。
物理ではないですが、測量士補の資格試験で三角関数を中心とした数学の問題を解き続けることで28問中27問正解で合格できたり、まさに操作に習熟することで解決できることも多いように思います。

○つっこみどころ

・まえがきで物理の知識そのものがビジネスパーソンにとって必要だという話から始まり、特別講義とあとがきでは物理学の考え方のほうが重要だと書かれていて整合性が取れていないなと思いました。
著者2名の考え方が異なるからでしょうか。
まえがきから第11講までは予備校講師の著者が、特別講義とあとがきは勉強法の本などの著作のある著者が、それぞれ書いているのかなと思いました。
基本的な内容の整合性は確保してほしいなと思いました。

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