【世界を変えた新素材】レポート

【世界史を変えた新素材】
佐藤 健太郎 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4106038331/

○この本を一言で表すと?

 様々な素材にまつわる歴史の本

○よかったところ、気になったところ

・様々な「材料」が文明の律速段階(化学反応で最も速度が遅い段階。化学反応全体の速度を決める)であり、その発見が文明を進めるスピードの軸になっていた、という視点で様々な「材料」のエピソードが述べられていました。

・これまでの歴史の中での「材料」の発見とその用途が述べられ、各章の最後に現代における新たな用途が述べられるという構成で、過去と現代の対比も興味深かったです。

・「材料」のこと自体は知っていても、どのような用途で使われていたのか、現代ではどのような用途で使われているのかを知らないことが結構あり、いろいろ勉強になりました。(コラーゲン:毛皮、弓矢、コンタクトレンズ など)

・ゴム、磁石、プラスチック、シリコン等、現代でも欠かせない「材料」についても、改めてそれがない世界とある世界の違いなど、いろいろ考えさせられました。

・参考文献が「○○の世界史」など、自分が今までに読んできた本と重なることが多く、あの本を参考にしたのかなとニヤリとしました。

○つっこみどころ

・先に同じ著者の「炭素文明論」を先に読みましたが、著者が薬学、有機化学の方が専門だからか、敢えて「炭素文明論」で触れた内容を外して書こうとしているからか、少し内容が落ちるように思えました。

・歴史が専門ではなく、サイエンスライターであるからか、歴史の内容そのものの正確さには疑義があるところが見受けられました。(その辺りを気にして自由に書けない、という結果になるよりはマシかもしれませんが)

タイトルとURLをコピーしました