【Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章】簡易レポート

【Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章】
ルトガー・ブレグマン (著), 野中 香方子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4163914072/

【Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章】
ルトガー・ブレグマン (著), 野中 香方子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4163914080/

○この本を一言で表すと?

 人間を肯定的に見る視点で考察された本

○よかったところ、気になったところ

・「スタンフォード監獄実験」や「ミルグラムの電気ショック実験」「クイーンズ地区の傍観者」の話はいろいろな本で出ていて知っていましたし、それらの事例をもとに知見が重ねられてきた本も読んできましたが、それぞれ虚偽だったり仕組まれていたことが明かされていて興味深かったです。

・今までに読んできた本やその著者の考えが所々に出てきて面白く感じました。

・兵士がほとんど人を狙って打てない話は、開高健さんのベトナム戦争従軍時の体験をもとにした小説でもよく出てきましたが、一方で共産思想の北軍は全員人を撃てるということも出てきていました。
共感、仲間が大事でそのために戦うということの良い面も悪い面もわかるような気がしました。

・厳しく管理しない監獄の話は、感情的には何となく納得し難いように思えたものの、懲罰的側面より更生的側面を考えると合理的なのかなとも思えました。

○つっこみどころ

・全体像を示す表やグラフ等がほとんどなく、良い事例やサンプルが挙げられているものの、数的な表現があまりなかったので、それが極一部なのか全般的にそうなのかもわからず、良いものだけを選んで紹介されただけのように思えました。

・ジャレド・ダイアモンドやユヴァル・ノア・ハラリの著作を否定する内容が出てきて興味深かったですが、そこまで根拠がなく、考え方の違いかなと思いました。

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