【読書会という幸福】レポート

【読書会という幸福】
向井 和美 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4004319323/

○この本を一言で表すと?

 読書会についての様々なことと、読書自体に関する著者の意見が述べられた本

○よかったところ、気になったところ

・著者の読書会についての考え方や思い入れは、自分と共通するように思えるところが多く、読んでいてうなずく箇所がいくつもありました。
読書会の期日という期限があるから課題本をそれまでに読むモチベーションになったり、自分とは異なる視点の意見が聞けて自分の視野が広がったり、同じ本を読んだ者同士でその内容について語り合えたりできる喜びなどについては、大いに同意できました。

・1987年から30年以上も読書会を継続してきたことについて、敬意を表したいと思いました。
これだけの期間実際に続けられた人達がいるということは自分も続けられるのではと勇気づけられました。
平日の昼という時間帯で、無料の場所を活用して、というのは、人を選びますが、場所の確保しやすさ等で有利にも働いたのかなと思いました。
翻訳家が複数人集まる読書会というのは、すぐに原文にあたって意味を捉え直したりできて羨ましいとも思いました。

・常連で続けることに注力すると、継続しやすいのかなと思いました。
個人的には新しいメンバーの参加で新鮮な意見が聞けるのも好きなのですが。一回中止にしたとき、著者が「やはり中止すべきではなかった」と考えたのは、あって当たり前という感覚を途絶えさせたことの常連中心の会特有の危機感があったのだろうなと思いました。

・文学中心の読書会で、文学を通して様々な視点・考え方・経験を追体験し、共有して話し合うというのは、文学以外の読書会と結構違う感覚がありそうだと思いました。

・常連中心の会に参加している著者が、他の読書会に潜入したルポは面白いなと思いました。
異なる団体の会に参加したときの緊張や新鮮さなどは自分も感じたなと思い出しました。

・著者が学校の司書としても働いていて、学生との本を通しての付き合い方に悩んでいるところは共感できるなと思いました。
若い人、それこそ中高生にも参加してほしいと考えたことがありましたが、理解度や素地などから実際には難しいというのはたしかにありそうだと思いました。

・著者主催の読書会の課題本や、読書会の内容についての紹介、翻訳家としての心得など、どれも興味深かったです。
文学の内容と自分の人生とを照らし合わせて、様々なことを思索している様子が見て取れるようでした。
文学に引きずられることとの紙一重にもなりそうだとも思いましたが。
著者は文学を通して踏みとどまったという点もあったようで、本当に読書を人生の中心に置いているのだなと思いました。

・読書会の課題本リストがなかなか見ごたえがありました。
ほとんどが海外著者の文学で、例外としてジャレド・ダイアモンドの「文明崩壊」があったのが目を引きました。
自分でも読んだことのある本も、それほど数はないですがいくつかあり、どのような読書会だったのか気になりました。
1年かけて、数年かけて1シリーズの本に取り組んでいる年もあり、すごい注力度合いだなと思いました。

○つっこみどころ

・各章末の「読書会を成功させるためのヒント」は、目次を見て内容を期待していましたが、内容が薄くてがっかりしました。

・「読書会を成功させるためのヒント」の2時間が最適な時間というのは同意できますが、最適人数が5~10人とあり、2時間の会で10人は多いのではと思いました。
著者の主催する読書会は常連が多いので回せるのかもしれませんが、新規の方の有無で最適人数は変わってきそうに思いました。

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