【ゼミナール マーケティング入門】
石井 淳蔵 (著), 嶋口 充輝 (著), 余田 拓郎 (著), 栗木 契 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/453213272X/
第13章<顧客関係のマネジメント>
○顧客関係のパラダイム
視点・・・物⇔サービス、起業⇔一般消費者(P.388)
2つのパラダイム(P.391)
・交換パラダイム・・・売り手と書いての双方にとて価値のある交換(Win-Win)但し都度、その場限り
・関係性パラダイム・・・メタ交換、交換の前提に焦点。長期継続化する関係を構築
⇒取引コストやリスクの低下、販売機会拡大、顧客獲得コスト低減
⇒注目される背景・・・市場成熟化、アフターマーケット拡大、ITの発展
○顧客関係の育成
・顧客関係の識別と選択
購買意思決定のキーパーソン⇒状況によって変化する
顧客障害価値で選別⇒一般顧客にも納得性のあるやり方で(例:ポイント制)
・顧客関係の維持と修復
スイッチング障壁(P.403~405):会員制、長期間割引、ポイント・プログラム、移動コスト、経験(情報の偏在)、信頼関係
スイッチング障壁の活用(P.405):他社に先行、新規顧客獲得阻害要因は見逃さない
顧客満足―調査 ⇒満足度とインパクトの分析(P.411)
顧客関係の修復・・・苦情とその対応、苦情を言わせる工夫(P.414)
・顧客関係を高める組織
逆ピラミッド―従業員への権限委譲を象徴
権限委譲のポイント⇒行動に枠組みをもたせる。
<演習問題>
1.交換パラダイムが適していると考えられる業種、関係性パラダイムが適していると考えられる業種をそれぞれひとつずつ挙げて、その理由を説明しなさい。
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交換パラダイム
・お土産屋:一見さんがほとんど、その場で両者のメリットを見出して売買
・フリマ:人、物も一期一会。売り手と買い手の満足度が重要
関係性パラダイム
・病院:自身の状態を把握してもらっている度合いが高ければスイッチングコストは高い
⇒文字通り「生涯価値」を高められる。
2. 顧客あるいは取引先との長期継続的な関係を実現している企業の事例をひとつ取り上げ、そこでは、どのようなウィン・ウィンの関係が実現しているかを分析しなさい。
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「花心(焼肉屋)」・・・毎回最大のコストパフォーマンスを味わうことができ、またワンシーズンごと(四半期ごと)に送られてくる割引はがきで来店動機が促される。
3. 顧客満足度が低くても、顧客関係が長期継続化する場合がある。なぜ、そのようなことが起こるのかを説明しなさい。
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携帯電話等(生活に必要なサービス)でサービスが悪くても、スイッチングコスト(メールアドレス変更 等)が高いと変更する気にならない。