【富士山噴火と南海トラフ 海が揺さぶる陸のマグマ】レポート

【富士山噴火と南海トラフ 海が揺さぶる陸のマグマ】
鎌田 浩毅 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/406516043X/

○この本を一言で表すと?

 富士山噴火によって起こり得る災害の予測とその可能性についての本

○面白かったこと・考えたこと

・地震のリスクもありますが、それと同レベルかそれ以上に火山のリスクも大きいということが様々な視点から説明されていました。

・どちらかと言えば、南海トラフに興味があって読み始めましたが、2007年出版の「富士山噴火」の改版のような本で、富士山噴火がメインテーマの本でした。

第1部 富士山噴火で起こること

・火山噴火の具体的な災害要因として、火山灰・溶岩流・噴石と火山弾・火砕流と火砕サージ・泥流が挙げられていました。

・火山灰の被害について軽く見ていましたが、火山灰はガラス質の物質で10cm積もれば都市機能が停止し、わずかに積もるだけでも電線の断線などで大きな被害が起こり得ることが書かれていました。
富士山と東京は距離があり、富士山噴火で東京が火山灰の被害に遭う可能性はそれほど高くないようですが、関東の地層にか富士山の火山灰が含まれていることはよく知られているので油断できなさそうに思えました。

・溶岩流が直接的な被害が大きく影響範囲も広いために物流・人流に大きな被害を与えそうなこと、高速で熱雲が下ってくる火砕サージの怖さ、泥流による長期的な被害など、それぞれ影響範囲や被害が異なる複合的な災害になることが説明されていました。

第2部 南海トラフと富士山噴火

・東日本大震災時に富士山噴火の寸前までいったそうですが、もし噴火していたら地震以上の被害があったのではと思えました。
南海トラフ等での大地震で噴火になったときは同時大規模災害に繋がりそうだと思いました。

・これまでの富士山の噴火の記録や、富士山の形状の変化などについて説明されていました。
映画やマンガなどの影響で頂上から噴火するイメージがありましたが、ほぼそれはありえず、山腹で噴火が起きていて、今後の噴火も同様に山腹で起きる見込みだそうです。

○つっこみどころ

・副題の「海が揺さぶる」は、それに該当する内容がなく、不自然な表現だなと思いました。

・富士山噴火についての記述がほとんどで、タイトルになっているものの南海トラフについてはあまり触れられていませんでした。

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