【プロパガンダ】レポート

【プロパガンダ[新版]】
エドワード・バーネイズ (著), 中田 安彦 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4880862681/

○この本を一言で表すと?

 「広告・宣伝業界の父」が書いた大衆操作マニュアル表版(裏は書いていない)

○この本を読んで考えたこと

・プッシュ型の広告戦略しかなかった時代にプル型の広告戦略を打ち出したバーネイズはすごいなと思いました。

・太陽王ルイ14世の時代から貴族、ブルジョワジー、庶民と下層にパワーが移っていったが、大衆操作技術によりまた少数の人間が世界を動かすようになったという考え方が、プロパガンダのパイオニアらしいなと思いました。

・大恐慌(1929年)の1年前に書かれた本ですが、技術さえ置き換えれば今の広告業界でも使えそうなノウハウがいろいろ書かれていました。
この時代に実行したのであればかなりの効果があっただろうと思いました。

・「訳者まえがき」「訳者解説」でいろいろ舞台裏が書かれていて面白かったです。
本文は割と倫理にも触れていて、戦争扇動や大衆操作を行った人物が書いたものとは思えない書き口でしたが、バーネイズ自身はかなり政府寄りで扇動工作を行ったり、倫理に反することをやっていたこと、ナチス・ドイツの広報大臣ゲッペルスがバーネイズの手法をモデルに国家扇動を行ったことなど、ある意味時代を動かした人だったのだなと思いました。
フロイトの甥でフロイト心理学などを応用して広告・宣伝や扇動工作を行ったと書かれていましたが、知識を実践に移したという意味で善悪はともかくすごいなと思いました。

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