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【影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣】レポート

【影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣】
N.J.ゴールドスタイン (著), S.J.マーティン (著), R.B.チャルディーニ (著), 安藤 清志 監訳 (翻訳), 高橋 紹子 訳 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4414304172/

○この本を一言で表すと?

 社会心理学の手法のトピック集

○この本を読んで考えたこと

・解説に書かれていましたが、この本は「影響力の武器」の実践編として出版されたものではなく、原題を直訳すると「イエス! 説得力を高める科学的に証明された50の方法」となるそうです。
邦訳で「影響力の武器 実践編」と付けられているのは「影響力の武器と関連があるなら併せて買わなければ!」という一貫性や好意などを利用した見事な商法だと思いました。
内容は1方法あたり4、5ページほどで読みやすく、わかりやすかったので満足ですが、「やられた!」という気持ちもあります。

・全体として社会心理学の手法を使うときには「倫理性」にも注意を払わないといけないという論調でした。
悪用もできるが短期的な効果しかないと、イギリスの石油高騰時に10倍に値上げしたガソリンスタンドが信用をなくしてその後すぐに潰れた事例などを挙げて説明されていました。
方法に善悪はなく、使うものに善悪があるというのは他の事にも当てはまりそうだなと思います。

・「影響力の武器」に書かれていることと重複している内容もいくつかありますが、細かい具体例がたくさん載っているので違った面白さがあり、そのまま使えそうなテクニックもあるなと思いました。
  選択肢が多すぎると買う気が失せる(5)
  コントラスト効果により上位商品の発売で従来品が売れ出す(7)
  ポストイットで手作り感を出したアンケートで回収率向上(10)
  一定の「特徴」「態度」「信念」をラベリングして相手の振る舞いを変える(15)
  恩を受ける方が与えるよりも頼みを聞いてもらえる(19)
  成功例より失敗例を使ったトレーニングの方が効果的(27)
  人は得するより損を回避する方を選好する(37)
  鏡に映ると「望ましい自分」として振る舞いたくなる(46)
  悲しみの感情は高く買い安く売る方に導く(47)
  感情が高まると「多いか少ないか」から「あるかないか」に注意を向ける(48)

・50の方法の後でインターネット時代の「影響力」について書かれていました。
メールによるコミュニケーションの簡便性に変わる不利な点について特に触れられていました(送信者側の意図がすべて書かれているわけではないため誤解を招く。例えある程度親交がある関係でも同様。)。
回避方法として予めお互いの背景情報を開示しておくことなどが挙げられていましたが、直接対面と同等のコミュニケーションとまではいかないようです。