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【状況判断―まず計算し、しかる後これを超越せよ】レポート

【状況判断―まず計算し、しかる後これを超越せよ】
大橋 武夫 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4837804012/

○この本を一言で表すと?

 状況判断から始まる戦略実行全体を描いて状況判断の重要性について示している本

○面白かったこと・考えたこと

・状況判断、計算ということが全面的に主題として書かれていて、またこれを誤ればそれ以降の行動すべてが誤った方向に進むことが示されていて勉強になりました。
戦国時代とその後の時代に限った舞台で、どのような状況判断が存在し、どのように行動し、どのような結果を出したのかが例示列挙されていて、状況判断の大切さを噛みしめさせる内容だなと思いました。

・それぞれの事例の説明自体が面白く、戦国時代が好きな人であればたまらない本だろうなと思いました。

第1部 見事に予測したが、大局を誤った川中島名人戦

・川中島の合戦は小説や漫画で知っていますが、その合戦の前後の体制についても詳しく書かれていてより深く知ることができました。また、ターニングポイントにおける状況判断の事例が出ていてよかったです。
川中島の合戦における状況判断の連続とその結果の綺麗さと、武田信玄と上杉謙信の全体的な行動で大局を誤っていることが数字として表されていて興味深かったです。

第2部 善く計算した織田信長

・「名将の演出」でも書かれていた桶狭間の合戦の時系列の状況判断は面白く、この計算ができた織田信長はとんでもない名将だなと思いました。
美濃攻め以降は冒険していないことは他の本でも知っていましたが、各敵に対する状況判断や、大局を誤らない視点での判断などは非凡だなと思いました。

第3部 まず計算し、しかる後これを超越した秀吉作戦

・羽柴秀吉の清水城攻めや中国からの大返しからの山崎の合戦はよく知られていますが、それぞれのポイントでの状況判断が明智光秀の状況判断と並行して比較されている表があり、それぞれの動きが顕著で、大事においてどれだけ真剣に精力的に動くことが重要かということがありありと出ているなと思いました。
計算し、さらに勢いという動的な要素も味方につけて勝利を勝ち取ったことは、その後の天下取りにも活きてすごい流れだなと思います。

第4部 賤ヶ丘における羽柴秀吉の圧倒作戦

・羽柴秀吉と柴田勝家の戦いで、それほど羽柴秀吉が圧倒的な立場ではなかったこと、一部突出してしまった柴田勝家側の佐久間盛政の動きが流れを変えたことなどは司馬遼太郎の小説で読んだことがありましたが、その上で各ポイントでの状況判断が示されていて新鮮で面白かったです。

第5部 真田の計算を活かせなかった豊臣秀頼

・大阪城が徳川家康にとって脅威だったという視点で書かれた小説等はよく見ますが、大阪城自体が弱点になったという分析は初めてで新鮮でした。
圧倒的な存在だからこそ、それに縛られ、勝機を逃すことになるという事例は、現代の企業においても大いにあり得る状況だと思いました。

第6部 敵の心を読んだ毛利元就作戦

・強固な富田城が、トップの威令が行き届いている時には落ちず、行き届かなくなったときには落ちるという歴史と、毛利元就が施した離間の策は、最適な戦略を選択して集中するという経営においても有用な原則を見るような気がしました。

第7部 状況判断

・「こうなればこうする」という状況判断がコンピュータを用いればさらに実行が容易になる側面と、人間でなければできない側面に分けて考えていることは、現代においてもより重要なことになりそうだと感じました。

・著者が軍で学んだ作戦要務令式状況判断が有用でありながらとらえどころがないこと、この「状況判断」を実践できるようになることがまず大変であることは、確かにその通りだと思いました。