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【ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日】レポート

【ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日】
ジョン・ボルトン (著), 梅原季哉 (監修)
https://www.amazon.co.jp/dp/4022517174/

○この本を一言で表すと?

 ホワイトハウスに勤務した人の体験回顧の本

○よかったところ、気になったところ

・50日で翻訳しきったそうですが、翻訳が荒いわけでもなく、訳注で事実と相違している内容の訂正が細かく記されていて、すごい作業だなと思いました。

・政権から離れて一年程度でここまで書いていいのかなと思いましたが、自主的に検閲を受け、数箇所だけ検閲で削除した旨が記載されている程度でほとんど通ったのは興味深いなと思いました。

・国家安全保障担当大統領補佐官として、どういう考えを実現しようとしていて、どのような業務を担っていて、どのような障害があり、どのような結果になっていたのか等が詳細に述べられていて、政府の運営の状況が分かる内容になっていて面白かったです。

・相手国のカウンターパート(同職担当)との調整、相手国の首脳とのやり取りが載っていて、どのような会話がなされているのか等臨場感がありました。

・ジョン・ボルトンはかなりタカ派のようで、トランプ大統領が邪魔していなければ北朝鮮・シリア・イランとは戦争になっていたのではないかと思えるくらいに攻撃を志向していました。
アメリカの国益のためには実行した方が成功だったようにも思えますし、戦争を抱え込まなくて結果的にはよかったようにも思えますし、複雑だなと思いました。
ジョン・ボルトンがトランプ政権当初から参画していたらかなり状況が変わっていたのではと思いました。

・トランプ政権の政策で目立ったものの大部分がジョン・ボルトンの構想に近いのが興味深かったです。
イラン核合意からの離脱、パリ協定からの離脱等。

・閣僚間の対立が時期ごとに細かく描かれていました。
第12章くらいまでジョン・ボルトンとポンペオはしっかりタッグを組んでいるような描写でしたが、第13章くらいから急に敵対的になっていて戸惑いましたが、立場が異なり、理解のない上司と動かしがたい部下の間に挟まれていると基本的に対立は深まっていく方向に向かうということでしょうか。

・大統領に任命される局長級以上と、ずっと勤務を続けている大半の職員の間の対立は、直接的にはそれほど描写されていなかったですが、かなりの頻度で出てきていて、政策が実行されるにあたって大きな障壁になっているように思いました。

・トランプのツイッターが本人一人の思いつきだけで発信されているだけではなく、ある程度閣僚間で相談した上で発信しているというのを初めて知りました。
外部の記者から見た「炎と怒り」「FEAR」では全てトランプ個人の発信のように描かれていたので、その違いが面白かったです。
やはり個人の発信も多かったようですが。

・トランプが途中で意見を翻したことで元々どのようになる予定だったのがどうなっていったのか、その違いが書かれていたのが興味深かったです。

・トランプの志向が明確になっているなと思いました。
不動産企業経営者の感覚で、取引相手に尊重されたいという思い、大統領になる前からよくニュースに取り上げられていた感覚で、何かしらよく取り上げられていい意味のニュースになりたいという思い、政治家としての感覚で、自身の得点になるかどうかという思い、大体この3パターンかなと思いました。

○つっこみどころ

・訳注で結構訂正されていましたが、原文はかなり間違った状態のまま出版されていたようです。
アメリカの出版社では事実確認をあまりしないのでしょうか。

・本全体として時系列ではなく、トピックごとに時系列だったので、章をまたいでの話の前後感覚が分かりづらかったです。