【デジタル化する新興国 先進国を超えるか、監視社会の到来か】簡易レポート

【デジタル化する新興国 先進国を超えるか、監視社会の到来か】
伊藤 亜聖 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4121026128/

○この本を一言で表すと?

 近年の新興国のデジタル化に関する本

○よかったところ、気になったところ

・新興国での様々な取り組みが紹介されていて、知らない内容も結構あって興味深かったです。

・第5章のデジタル権威主義、ポスト・トゥルースの話は、興味深いですし、深刻な話でもあるなと思いました。
第1章で紹介されているネグロポンテの4つの予言の中で一つだけ外れた『「THE NET」の検閲は不可能で、国境の意味は薄れていく』ということに対して、「スプリッターネット(分断されたインターネット)」と呼ばれている状況になっているそうです。

○つっこみどころ

・先進国でない国を「新興国」としているため、中国やインドとアフリカの貧困国もまとめて「新興国」としているため、新興国のデジタル化という視点がかなりブレているようにも思いました。

・全体的に、ネガティブな情報については深く長期的な分析ができているように思いましたが、ポジティブな情報については分析が浅く、ごく短期的な観点でしか見ることができてないような印象を受けました。

・可能性も脆弱性も先進国より新興国が大きい、ということが基本テーマでしたが、それに固執しすぎて無理に紐付けているような印象も受けました。
紹介されている技術も散発的かつ小規模で、デジタル化しているとまではとても言えないのではと思いました。
脆弱性の大きさは納得できますが、可能性の大きさについてはこの本の内容ではあまり信用できないなと思いました。

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