【イラン人は面白すぎる! 】レポート

【イラン人は面白すぎる!】
エマミ・シュン・サラミ (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4334036805/

○この本を一言で表すと?

 イラン人芸人のイランの面白い側面をピックアップした紹介本

○この本を読んで面白かった点・考えた点

・ところどころ入っている寒いボケとツッコミをスルーして読むと、イランに住んでいる人たちの感覚や常識が良く伝わってくるかなり充実した内容の本だと思いました。

第一章 陽気なイスラム教

・なんとなくスンニ派よりもシーア派の方が戒律が厳しく取り組み方も厳しいものだと思っていましたが、礼拝が五回でなく三回だったりと、いろいろと緩いところがあることを初めて知りました。

・喜捨がイスラム教の五大義務だということは知っていましたが、もらう方が偉そうで端金だとキレるというのは信仰がからんでいるからできることかなと思いました。

・礼拝を何かと理由をつけてサボる人がたくさんいるというのも厳格なイメージからほど遠いなと思いました。

・信仰を告白する「証言」で、自分が新興する神を言い訳のネタ(遅刻の言い訳、借りパクの言い訳など)に使うことが常態化していて、使われた方も使い返すというやり取りが真剣に行われているのはすごいなと思いました。

・メッカへの巡礼で、黒い石に向かって礼拝することは知っていましたが、黒い石にキスをするという習慣は初めて知りました。
老若男女思い思いにキスをするのでとんでもなく臭くなっているというのは身も蓋もないなと思いました。

・悪魔の石柱に石を投げる習慣と石柱の近くの人に当たって怪我をするという話は別の本で読んだことがありますが、石を投げ慣れていない人が思い切り投げるために毎年1,000人も肩を脱臼するというのは初めて知りました。なんとなく納得できる気もします。

・安請け合いするけど実行するかどうかは微妙、というその場で相手を喜ばせればウソでもOKという文化は、知らない人がされると怒らせる原因になりそうだなと思いました。

・男女完全別のビーチの話も前に別の本で読みましたが、女性専用の島ができたことは初めて知りました。

第二章 豚肉とラマダン

・イラン人はイスラム教の教義から豚肉を忌避しているため、逆に豚肉を見たことがなくてついうっかり口にしてしまうというのは、確かにありそうな話だと思いました。
とんこつラーメンでチャーシュー抜きにしてもらったエピソードは昔インド人をラーメン屋に連れて行った時のことを思い出しました。

・酒を宗教上も法律上も禁じているイランで毎年密造酒で捕まる件数が10万を超えるというのは、普段はかなり無理しているのかなと思いました。
最初からずっと戒律が厳しければともかく、一度開放的な民主国家だった時代があるとここまで緩くなってしまうのかと驚きました。

・断食の三度の苦しい波の話と後半になるほど辛くなり、喧嘩もできないほど動けなくなるというのは確かに辛そうです。
ラマダンの時期がずれて真夏になった時の苦労はとんでもないだろうなと思います。

・断食逃れのために医者に病気の診断書を作ってもらう話は、日本で徴兵忌避のためにいろいろやっていたというエピソードを思い出し、どの国でも同じような事情があるんだなと思いました。

・ラマダン中はグルメ番組が禁止されていて、アニメのアンパンマンでアンパンマンの顔にモザイクがかかるというのは笑いました。

第三章 すべてはバザールと食卓にある

・イランの食事は昼が一番重要で何十人と集まって食べること、そのために早朝から準備していることなど、イランの暮らしぶりが見えてくるなと思いました。

第四章 中東の恋愛不毛地帯

・女性の体中を覆うチャドルの弊害で、子供がお母さんを探すのに苦労するというのは確かにありそうだなと思いました。

・イランの恋愛事情で、国の法律で男女の恋愛が禁じられ、その除外条件が結婚のみであるため、「初めての恋愛=結婚」になること、そのためにイラン人男性の20歳の9割は童貞であることなど、考えてみれば納得ですがなんとかく笑えてしまうなと思いました。

・イラン革命前は合コンがあったそうですが、革命後は合コンをやっていた男女は革命防衛隊に踏み込まれ、女性は全員殺害され、男性も殺害されるか捕まるかという命がけのものになったそうです。

第五章 イランの罪と罰

・イランでは強姦された女性も姦通罪で死刑になることがあるそうで、女性の権利が甚だしく低い国という面があるなということを改めて考えさせられました。

・イランの刑罰は因果応報の考え方に沿っているそうですが、「若い女性の着替えを盗撮しようとしたら、犯人がパンツ一丁で被害女性の家族に写真を撮られる刑」「キリスト教徒を差別したら、胸元を十字架にくりぬいたトレーナーを一ヶ月着続ける刑」などの珍刑があったそうです。

第六章 学校という名の階層社会

・イランでは親がどの地位にいるかによって小学校からあからさまに階層化されて待遇が異なるそうです。スポーツでも勝ってはいけないし、テストの点も操作されるそうです。

第七章 アラブの中のイラン

・スンニ派がシーア派を批判する理由の一つに「祈りは心の中でやったからOK」「やむを得ない行事で酒を飲むのはOK」などの「欲望の捌け口」を認めていることがあるそうです。
他にもイランでは姦淫罪をすりぬけるために、30分だけ結婚するという略式の儀式を経て実質風俗のようなものも運営されているとか。

○つっこみどころ

・芸人として扱うには扱い辛いネタで、実際に漫才にしたらかなり滑りそうなことと、ボケとツッコミを所々いれていますが、興ざめするほど寒いのが残念でした。
そういったところをなくせば全体としてもっと高く評価できそうな内容だったのにと残念に思います。

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