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【マレーシア新時代‐高所得国入り】レポート

【マレーシア新時代‐高所得国入り】
三木 敏夫 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4794450494/

○この本を一言で表すと?

 読んでもマレーシアが新時代に入ったとは思えないマレーシア新時代の本

○この本を読んで面白かった点

・MM2M(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)プログラムという長期滞在者受け入れ制度の仕組みがあるというのは初めて知りました。
預金額や収入の最低基準を設けることで、自国に利益のある人だけを受け入れるというのはうまい政策だなと思います。(P.26~28)

・マレーシアは韓国などと同じく国内治安法がまだ存在していることを初めて知りました。(P.79~81)

・イスラム金融形態が大きく6種類あり、そのうちスクーク(イスラム債券)の発行はマレーシアが50%以上を占めているというのは初めて知りました。(P.182,192)

○つっこみどころ

・同じような内容がバラバラに何度もでてきてまとまりがないなと思いました。

・「ブミプトラ政策がマレーシアの成長に貢献したことは言うまでもない」というような記述が何度も出てきますが、その理由や根拠がほとんど述べられていません。
マレー人に再分配することで底上げしたのかもしれませんが、そのプロセスについては触れられていませんでした。
このように理由づけがほとんどない言い切りが各所に散見されました。

・記述がおかしいなと思った箇所がいくつもありました。(以下、例として)
 「・・・マレーシアの主人であるマレー人を優先するのは当たり前のことです。日本において納税者である日本人を優先し保護するのが日本政府の役割です(P.115)」⇒マレーシアは多民族国家として中国人やインド人を抱えている国で、ほぼ単一民族国家の日本の日本人と多民族国家の中のマレー人を比較するのはおかしいなと思います。それに日本では帰化した元外国人を同等に扱います。
「・・・経済格差が問題となっています。このことをレンティア国家と呼びます。(P.160)」⇒呼ばないと思います。レンティア国家はレント(不労所得)を国民に分配している国で、石油輸出収入を国民に分配するサウジアラビアなどがあたりますが、マレーシアは違います。

・誤字や脱字も散見されました。(「的資源」⇒「人的資源」、「電車が込んで」⇒「電車が混んで」)

・総じて、文章自体もひどかったです。

・上記から、編集者のチェックがされておらず、知り合いに読んで指摘してもらったりも一切していないのではないかと思いました。