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【インドネシアを知るための50章 エリア・スタディーズ】レポート

【インドネシアを知るための50章 エリア・スタディーズ】
村井 吉敬 (著), 佐伯 奈津子 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4750319309/

○この本を一言で表すと?

 2000~2004年前半のインドネシア各論

○この本を読んで面白かった点

・50の「モノ」をベースにいろいろ書いている本でした。
「モノ」は口実で自分の書きたいことに無理やり繋げているような章もありましたが、それはそれで面白かったです。

・全体の半分くらいはインドネシア政府と先進国の外資企業が庶民を追いつめているという内容でした。
2000~2004年前半(スハルト時代より後ユドヨノ時代より前)に書かれた内容なので暗い内容が多いのかなと思いました。

第2章

・スカルノ元大統領の夫人、デヴィ夫人が日本人(根本七保子)だったと初めて知りました。
モナス(独立記念塔)には35キロの純金が使われていて、その建造に当たった久保正雄氏がデヴィ夫人をスカルノ元大統領に紹介し、日本がインドネシアに戦後賠償金を支払う過程で見返りを得ていたそうです。

第3章

・アメリカの鉱山会社フリーポート社がインドネシアの外資導入法発効直後に参入して、エルツバーグ山の現地民に対し無断・無償で採掘を始め、インドネシア国軍とともに現地民を弾圧したそうです。
日本の足尾銅山事件など比にならないような事件がスハルト時代にあったのだなと思いました。

第14章

・インドネシアのアル諸島のドボの町では20世紀初頭に日本人のダイバーなど1,000人くらいが真珠のために白蝶貝をとるために暮らしていたそうです。
戦前・戦後もかなりの日本人が命を懸けて潜っていたそうです。

第18章

・インドネシアではドリアンを食べるために生きている、という人が少なくないそうです。
落果して数時間以内に食べるのが一番おいしいらしく、寝ずの番をして落ちるのを待っている人もいるそうです。
また、ドリアンを好物とする象・虎・オラウータンなどに鉢合わせる危険があるため、ドリアンを取りに行くときは無病息災を祈ってから出かけるそうです。

第20章

・インドネシアではRTという臨保組織があり、RTが複数集まってRWという町内会、数個のRWが集まって行政単位のデサ(農村部)とクルハラン(都市部)になるそうです。
このRTが互助組織としてアリサン(頼母子講)を開いたり、識字教育や健康管理知識の学習などの機会を作ったりして経済危機などでも対応していたそうです。

第22章

・インドネシアは複数宗教国家でイスラム教徒が9割近く、カトリック、プロテスタント、仏教徒といる中で、「宗教」とは別枠で「信仰」としての「クバティナン」というのがあるそうです。
「親日指数世界一の国! インドネシアが選ばれるのには理由がある」でインドネシアでは黒魔術の存在をほとんどの人が信じていると書かれていて、大多数を占めるイスラム教やキリスト教では迷信は禁止されているはず、と違和感がありましたが、それが解消されました。

第28章

・政府と住民の土地の権利争いでNPOがGPS機器を貸し出して地図上に土地の境界をひかせて交渉させているという話はなかなか実効性が高い取り組みだと思いました。
法的に効力のあるものではないですが、この境界がひかれた地図で住民が一部権利を勝ち取った事例もあるそうです。

第31章

・別の本でインドネシアでは携帯電話用の電波塔が次々と建設され、携帯電話普及率がかなり高いと書かれていたので、2000年時点ではインドネシアの携帯電話の普及率が1.7%だったというのには驚きました。

第42章

・Tシャツが政治上重要で、「国軍、民兵に焼き討ちされた時、政治的にそちら側のTシャツを着ていたら一命をとりとめた」「カール・マルクスの顔を描いたTシャツを製造したら警察に追われた」「資金のあるスハルト体制期の与党の選挙前に大量に政党宣伝のTシャツを製造した」などのエピソードがあるのは面白いなと思いました。

第45章

・大統領でも名刺に学位をこれでもかと盛る文化というのは日本になくて面白いなと思いました。