
【敗者の古代史 「反逆者」から読みなおす】
森 浩一 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4040824482/
○この本を一言で表すと?
正史で反逆者・敗北者とされた側の歴史を見直した本
○よかったところ、気になったところ
・古事記や日本書紀などの記述と、地誌や風土記、地名などの現地の情報から、前者で反逆者・敗北者とみなされた古代の人物を見直していて面白い視点だなと思いました。
ある程度知っている人物から名前も知らなかったような人物まで、古代の様々な人物が採り上げられていて勉強になりました。
この本の著者だけではなく、古代を対象とした本全般についてですが、文献や資料が少ない中で、人名や地名などを手がかりにした考察・推測・憶測が多く、少し考えが異なるだけで結論が大きく変わることが興味深いなと思いました。
○つっこみどころ
・「記紀」などの古代史にかかわる用語の説明がなく、用語の意味を推測して読み進め、別の本で推測が当たってほっとすることがありました。
略語について最初に触れていれば親切だったなと思いました。
・著者の「考古学は地域に勇気を与える」という言葉は、いい言葉だと思いましたが違和感もあり、研究に主観的な地域に良い方向のバイアスが働きそうな言葉でもあるなと思いました。
例えば椿井文書が偽書であると明かした研究は地域に絶望も与えたと思いますが、個人的には歴史学も科学の一つであり、客観的な視点は保ってほしいと思います。
・他の同時代の本の参考文献に、この本の著者の名前が見当たらず、同業者にはあまり受け入れられていなかったのかなと思いました。
