【スティーブ・ジョブズ I】
ウォルター・アイザックソン (著), 井口 耕二 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062171260/
【スティーブ・ジョブズ II】
ウォルター・アイザックソン (著), 井口 耕二 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062171279/
○この本を一言で表すと?
スティーブ・ジョブズの生まれから亡くなる直前までの紆余曲折について書かれた本
○この本を読んでよかった点
・Ⅰの方に書かれていた過去のアップルやネクスト、ピクサーについての経緯をほとんど知らなかったので新鮮な感覚で読めました。
・若い頃のスティーブ・ジョブズの交友関係についていろいろ知ることができました。
LSDなどのドラッグにハマって、しかもそれを後年になっても人生で2,3を争うほどの体験だったと話していたり、インドに旅したり、禅の修行をしたりなど、単なるビジネスマンではなく、いろんな体験を経た上での実績なのかと思いました。
・「完璧主義」というと失敗する人というイメージがありますが、徹底的にそれを貫くことで類を見ない成果を出した例を知り、こういったパターンもあるのかと思いました。
・「文系と理系の交差点、人文科学と自然科学の交差点」というポロライド社のランドの言葉の引用はなかなか印象的でした。
・スティーブ・ジョブズのような尖ったリーダーシップも時には重要なのだなと思いました。
○所感
・すごいことを成し遂げた人なのにこの人のようになりたいとは思わない、世界的な偉業を成し遂げたのに家族を幸せにしたとは言えない、スティーブ・ジョブズはなかなか複雑な人物だなと思いました。
・誰もがこの頃考えたと思いますが、9ヶ月も治療から逃げなかったら今も健在だったかもしれないと思うと惜しい思いがします。
・スティーブ・ジョブズは他人のアイデア・功績を自分のモノにしてしまうようなところもありますが、彼でなければそのアイデアを実現まで持って行けたかわからない、このあたりは明治の高峰譲吉とその共同研究者の話にも通じるような気がしますが、どうすることが正しかったのか、難しいような気もします。
・対マイクロソフト、対グーグルの「クローズ対オープン」の話はいろいろ考えさせられました。
オープンだからこその汎用性、クローズだからこその統合性、どちらがいいと一言では言えないですが、クローズの方が実践し続けることが難しいように思います。
スティーブ・ジョブズ亡き後もアップルがクローズ路線で成功できるかには注目したいと思います。