• 様々な本、様々な資格の話が盛りだくさん(の予定)

【道草】レポート

【道草】
夏目 漱石 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4087520595/

○この本を一言で表すと?

 夏目漱石の自伝的小説

○この本を読んで興味深かった点・考えたこと

・夏目漱石の本は、国語の教科書で「こころ」のごく一部が載っていたのを読んだ程度で、一冊読んだのは初めてでした。
背景説明がほとんどなく、話が進む中で徐々に何となく背景が分かってくる感覚、行間を読まされる感覚が新鮮に感じられました。

・起承転結がはっきりしているわけでもなく、淡々と話が進むのに面白いと感じるのは、描写がかなり細かく書かれているのにくどく感じない文章だからだろうかと思いました。

・主人公の健三の内面や環境における葛藤や他人との関わり方など、一人の人間のあり様が細かく描かれていて、日常に起こった大小のイベントごとにどう感じたかなどが実感として伝わってくるように感じました。

・この小説が新聞で100回以上に分かれて連載されていたというのが面白く感じました。
小分けにしていても当時の人は話の筋を憶えて読み続けられたのかなと考えると、興味深いなと思いました。

・長い時を過ぎ、人の立場がそれぞれ変わり、それでも縁が繋がり続けることの「片付かない」感覚がよく伝わってきて深いなと思いました。
昔は高い立場の人が低い立場に落ちても態度が変わらなかったり卑屈になったり、様々なパターンの変化がリアルだなと思いました。

・当時の人間の感覚のようなものが何となく理解できたような気がしました。明治の頃の歴史の本を読んだ時に実感としての時代感がより分かりそうな気がしました。

・当時と今の様々な習慣や考え方の違いが所々で感じられましたが、同様に当時も今も変わらない感覚、「厚かましい人に隙を見せるとどこまでも厚かましくなる」「自分の考えに固執する人は全てを自分の考えの範疇でしか判断できない」などがあって、日本以外の文化や歴史の本を読んで「人間、場所や時代が変わっても大して変わらないものだな」と感じたのと似たような感想が思い浮かび、それが面白いなと思いました。

○つっこみどころ

・語注があるのは助かりますが、数が多く、解説より手前の中途半端な場所にあり、分かり切った言葉まで語注があって特殊な意味があるのかなと思ったらそのままの意味だったりして、都度語注を開くのが手間でした。
各ページの下やページの端に語注があればかなり読みやすかったと思いました。