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【ツァラトゥストラかく語りき】レポート

【ツァラトゥストラかく語りき】
フリードリヒ・W. ニーチェ (著), 佐々木 中 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4309464122/

○この本を一言で表すと?

 序文・注釈・解説のない本格派ニーチェ新訳本

○面白かったこと・考えたこと

・序文がなく、注釈もなく、後書きは内容に触れない1ページのみで解釈・解説は一切なし、という本でしたが、本文で文章自体が意味がわからないということもなく、よく理解している翻訳者の手による本だなと思いました。

・主人公であるツァラトゥストラがゾロアスターのことで、特に本文でゾロアスター教に関わる内容はなかったと思いますが、キリスト教徒では絶対ありえない人名としてこの名前が採用されたのかなと思いました。

・各部で書かれた時期が違うからかもしれませんが、それぞれ主張する内容やトーンが違っているような気がしました。
前に主張したことを否定して新たな主張、ということが何度も繰り返されているのは面白いなと思いました。
特に各部ごとに一度山に戻ってリセットされて新たな考えで行動を始める、というパターンも何かを象徴しているのかなと思いました。

第一部

・最初の綱渡り舞踏家と道化が出てきて、舞踏家が死ぬ意味がよく分からなかったです。第一部全体では、ニーチェの時代までにあった言説を取り上げて否定することが繰り返されているように思いました。

第二部

・第二部はいくつかの種類の職業・地位等の人々と事物に焦点を当ててそれぞれを否定している内容だと思いました。第一部と違う始まりのように思いますが、第一部とセットの内容であるようにも思いました。

第三部

・第三部から人より景色や行動に焦点が当てられているように思いました。第二部まで出てこなかった永遠回帰の話がメインになっているなと思いました。

第四部

・第三者について語る形から、直接出会い語って自分の住処に誘うという形式で話が展開されていました。それぞれ見るべきところがあるような描写の後で、それをすべて否定するような書き方が印象的でした。

○つっこみどころ

・ニーチェについて理解している人が読む、中級者以上向けの翻訳本だと思いました。
ツァラトゥストラがハイテンションだったりアップダウンが激しかったりして、それぞれの言動がどういった理由で書かれているか分からなければ、ほとんど何も得られないのではと思いました。