
【西洋古典名言名句集】
西洋古典叢書編集部 (編集)
https://www.amazon.co.jp/dp/4814005067/
○この本を一言で表すと?
西洋古典の本から語句を抜粋して紹介した本
○よかったところ、気になったところ
・ギリシャ語かラテン語の古典限定で、様々な文献から語句が紹介されていました。
前後の文脈が分からなければなぜその語句が紹介されているのか分からないものも多かったですが、それを知るためにその古典を読みたいというモチベーションに繋がるのかなと思いました。
・キーワードごとに語句がまとめられていましたが、そのキーワードに単一の著者の国しか紹介されていない箇所などもあり、その時代しか注目されていなかったのかなと推測しました。
「内紛」が全てリウィウスの「ローマ建国以来の歴史」からの抜粋だったり。
・「矛盾」や「臨機応変」など、中国の故事成語を使って翻訳されている箇所が結構あって気になりました。
西洋古典の翻訳も東洋古典の文言を使わないと翻訳できないのかなと。
日本の一般人の認知度が圧倒的に東洋古典寄りだからかなとも思いました。
・紹介されている語句の傾向から、その時代の背景がうかがえるような気がしました。
「神」「恋」「酒」「死」「人生」「戦争」「哲学者」「人間」「美」「弁論家・弁論術」「法・法律」「民主政・民主主義」「友人」あたりのキーワードで多く紹介されていたでしょうか。
喜劇より悲劇からの紹介のほうが圧倒的に多かったり、同じキーワードに対して正反対の意見もあったりもしました。
・アリストテレスの著作からの抜粋は名言と思えるものが多いなと思いました。
他にはトゥキュディデスの「歴史」やリウィウスの「ローマ建国以来の歴史」も興味深いなと思いました。
○つっこみどころ
・キーワードの選択が似たような文言がまとめられていなかったりしていまいちに思えました。
その上で、キーワードを五十音順に並べているので同じ系統のキーワードが飛び飛びになっていて読みにくかったです。
キーワードをもう少し集約するとか、キーワードをもう一段上の大分類を設けて分類するなどの工夫位はしてほしかったなと思いました。
・「名言名句集」という書名でしたが、名言名句と思える語句はごく僅かだったように思えました。
114ページの「書物」で「名言ではないが、哲学者の著作の伝承を伝える記事」とことわりを入れている箇所がありましたが、そこよりももっと名言度の低い文言はいくらでもあるだろうと思えました。
翻訳を担当した人がそれぞれ好きに語句やキーワードを挙げて、特に監修者のいないままにまとめてしまった等の事情がありそうだなと思いました。
・ところどころに背景の注釈がありましたが、できれば紹介する語句を減らしてでも全ての語句に背景の注釈を入れて紹介してほしかったなと思いました。
それぞれの古典を読んでいない人にも分かるように注釈を入れるのは労力がかかりすぎてできなかったのかもしれないですが。

