【不幸にする親 人生を奪われる子供】レポート

【不幸にする親 人生を奪われる子供】
ダン・ニューハース (著), 玉置 悟 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062814811/

○この本を一言で表すと?

 コントロールする親の実態とその影響と対処策について書いた本

○この本を読んで興味深かった点・考えたこと

・「毒になる親」で類型の一例として挙げられていた「コントロールばかりする親」を中心として取り上げ、他の類型を子の類型の下位概念としてまとめていました。
まとめ方の違いで、実質的には「毒になる親」と同じような分類になっていると思いました。

・「毒になる親」ではそれほど重点的には取り上げられていなかった「そういった親になってしまうのはなぜか」についてかなり重点的に書かれていました。
「コントロールする親」の子供が成長するとその子供が「コントロールする親」になるという連鎖構造を考えると、そこを重視しているのは良い視点だと思いました。

・「コントロールする親」になってしまった親の心理を分析することで、「毒になる親」よりもその親にある程度同情や哀れみを感じる書かれ方になっていました。
結論として対決すること、見捨てることが書かれているのは同じでしたが。

パート1 こういう親が子供を不幸にする

・心が健康な親と不健康な親の対比が書かれていて分かりやすいなと思いました。
有害なコントロールを行う親として、「かまいすぎて子供を窒息させる親」「子供の幸せを取り上げる親」「完全主義者の親」「カルトのような親」「支離滅裂な親」「常に自分の都合が優先する親」「身体的な虐待をする親」「責任を果たせない親」が挙げられていました。

パート2 問題をよく理解しよう

・有害なコントロールの仕組み、過去に受けたコントロールと現在の症状のつながり、コントロールしたがる親の要因についてまとめられていました。
「毒になる親」に比べてかなり理論だった説明がされているなと思いました。

パート3 問題を解決しよう

・「毒になる親」と同じように親との対決方法について書かれていました。
若干具体性が上がっていますが、「毒になる親」に書かれていることと大差がないのは、「毒になる親」が1989年に書かれてから「不幸にする親」が1998年に書かれるまでの間にはそれほどこの問題に対する進歩がなかったのか、そもそも具体的な解決が難しく、この対策法を示すくらいしかできないのかなと思いました。

○つっこみどころ

・各トピックの詳細が箇条書きで書かれていることが多く、読みにくさに繋がっていました。
また同じ内容が重複して再度箇条書きで書かれていて冗長だと思いました。
加えて、箇条書きで挙げられている内容がかなり重複していたりして、箇条書きの意味が薄く思えるような内容も散見されました。

・元々の文章がそうなのか、訳が悪いのかわかりませんが、前後の内容の繋がりが分かりづらく、結局何が言いたいのかをつかみにくい本だと思いました。

・帯や背表紙に「『毒になる親』の解決編!」と書かれていましたが、読んでみると少し的外れだなと思いました。

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