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【実践 幸福学 科学はいかに「幸せ」を証明するか】レポート

【実践 幸福学 科学はいかに「幸せ」を証明するか】
友原 章典 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4140886129/

○この本を一言で表すと?

 タイトル通り「幸福」の「実践」に重きを置いた本

○面白かったこと・考えたこと

・一般にネガティブと思われる結論も、統計上そうなっているのであれば誤魔化さずに記述していることが印象的でした。

・各章の各節のまとめが、後で振り返る時にわかりやすいなと思いました。

第1章 誰がいったい幸せか

・心からの笑顔を作る人は幸せになれる。
作り笑顔でもストレス軽減。

・お金に執着すると不幸になりやすいが、基本的にお金があれば幸せ。ただ、お金よりも幸せになれるものがある。

・客観的に身体的魅力のある人が必ずしも幸せとは限らないが、主観的に魅力があると思っている人は幸せ。

・人生の中で中年の幸福感が低い。

・女性の社会進出と女性の幸福感は反比例する傾向がある。

・似た者同士の結婚のほうが幸せになれる。

・楽観的な人ほど幸せな傾向。
幸せな人は病気になりにくい。

第2章 幸せとは目指してつかむもの?

・ストレスが身体に様々な負の影響を与える→ストレス軽減が幸せにつながる。

・運動やリラックスできる活動でストレス軽減。遺伝や環境でストレス耐性がある程度決まる。

・ポジティブ心理療法で、幸せになれる典型的な行動を取ることで幸せを感じやすくなる。
ただし、効果は一時的なことも多い。

・考え方の癖、認知の歪みが現実を誤認させる。
悩みや苦しみは自分の思考から生まれる。
「出来事」「思考」「感情」「行動」の4つを区別して考えることで自分の思考を見直すことができる。

・自分のなりたい自分を描き、近づいていくアファメーションはストレスを緩和し、能力アップなどにもつながる。

第3章 幸せとはありのまま受け入れるもの?

・マインドフルネスは現在のこの瞬間に意識を向け、過去や未来に意識を向けない手法。

・感情を言葉で表すラベリングでネガティブな感情を客観視できるようになる。

・同時に様々なことを考えるマインド・ワンダリングは不幸な気分、ストレスに繋がる。

・自信の思考や感情を受け入れ、価値観にコミットメントして行動に移すACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)というものがある。

・マインドフルネスは万能ではないものの、様々な効果との因果関係を認める研究がある。

第4章 自分に合った幸せを見つける

・ポジティブ心理療法とマインドフルネスでは、どちらの方が効果があるかはケースバイケースで優劣は決まっていない。

・宗教そのものより宗教に係る環境の方が幸福に影響する。

・人生を季節に分けてそれぞれに合った生き方を考える幸せ成分の調合法。
幼年期(春)は自制心を育む。
青年期(秋)は自己実現とパートナー探し。
中年期(秋)は価値観の転換。
老年期(冬)は受容と感謝。

○つっこみどころ

・まえがきで著者が大学で教えている「幸福の経済学」は行動経済学の一分野で心理学・社会学・神経科学とも関係がある分野だと書かれていましたが、この本では経済学的というより、統計的に検討する面で社会学の要素と、他はほとんど心理学の要素ばかりで経済学という分野の本だとは思えませんでした。
同じ月に出版された同じ著者の「移民の経済学」は社会的・経済的な分析が基本のこれぞ経済学というように感じられましたが、この本とは異なる論点を公平に評価するところが共通するのみで、それ以外は別の著者が書いたのかと思われるほど違いが感じられました。

・幸せの定義がはっきりと定められておらず、あとがきでは敢えて定めなかったと書かれていましたが、基準が曖昧なので、取り上げられているトピックとの因果関係なども曖昧になってしまっているように思いました。
アンケート等の選択肢も主観的なものがほとんどなので仕方がないのかも知れませんが。