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【ソラリス】レポート

【ソラリス】
スタニスワフ・レム (著), 岩郷重力 (イラスト), 沼野充義 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4150120005/

○この本を一言で表すと?

 理解し合えないものとの接触とそれにまつわる体験や感情を綴ったSFの本

○面白かったこと・考えたこと

・なんとなく、ソラリスの「海」と理解し合っていくという話かなと思って読み始めましたが、最後まで理解し合えないものとして、それを受け入れていく話だったので驚きました。
訳者解説にもありましたが、テンプレートに沿った解釈を自分もしていたのだろうなと思い、考えさせられました。

・オーウェルの「1984年」を読んだときにも思いましたが、SF小説の設定の細かさがすごいなと思いました。
ソラリス学という学問の体系とその描写にかなりの文字数が割かれていて、この設定を考えるのは大変だったろうなと思いました。

・最初に青い太陽と赤い太陽が登場して、どういう設定なのか混乱しましたが、太陽系以外の惑星という設定に気づいて納得しました。
電波を送って数ヶ月で地球に連絡がつくというのはかなり近い場所にあるという設定なのかなと思いました。

・ケルヴィンが最初にハリーをロケットで追い出すところや、ハリーを受け入れるところなど、異常事態にある人間の行動がよく描写されているなと思いました。

・本文中のスナウトからのサルトリウスの説明、訳者解説にあった著者自身の雑誌に掲載されたハリーの行動の説明など、別に説明されてようやく理解できる行動など、人間同士(ハリーは違いますが)も理解が難しいということが描写されていたのかなと思いました。

○つっこみどころ

・ケルヴィンがソラリス・ステーションに到着する直前に自殺した(とされている)ギバリャンについて、なぜそうなっていったのか等が最後までわからなかったのがもやっとしました。
ケルヴィンの恩師だったり、そこそこ重要人物だったような気がしますが。
ケルヴィンにとってのハリーがギバリャンにとっての巨大な黒人女性だったのかなと読み終わってから思いましたが、最も心の底に残っていたのがその黒人女性だとするとギバリャンに対しての謎がより深まる気がしました。

・スナウトの人格・行動・動機などが捉えにくかったなと思いました。
ソラリス・ステーションの環境で精神的に滅入っていたのかも知れませんが、支離滅裂な行動が多かったように思いました。

・訳者解説で映画が異なる解釈で制作されたという話があり、著者が不本意だったとのことですが、原作のまま映画を作成するのは難易度が高く、観客に理解してもらうのに苦労するばかりで売れないだろうなと思いました。