【イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル】レポート

【イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル】
クレイトン・クリステンセン (著), ジェフリー・ダイアー (著), ハル・グレガーセン (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4798124710/

○この本を一言で表すと?

 イノベータの資質とそれらの詳細について書かれた本

○この本を読んでよかった点

・イノベータの資質を5つの発見力(関連づける力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力)として明確に書かれて、各発見力の伸ばし方も各章に書かれているところが分かりやすくていいなと思いました。

・個人の資質だけでなく、組織/チームの資質として3Pの枠組み(人材:People、プロセス:Process、哲学:Philosophy)が書かれていてイノベーションを実現するための仕組みがより詳しく書かれているなと思いました。

・5つの資質を有する実在の人物や3Pの枠組みを用いている実在の組織の例が都度紹介されていて各要素の内容の理解を深めやすいと思いました。

○つっこみどころ

・マルチ商法企業のザンゴや悪評高いモンサントもイノベーティブな会社として書かれていました。
物事の善悪はともかくとして、イノベーティブな会社を一定の方針で無作為に抽出しているということの証明になっているような気もしますが。

○各要素

>5つの発見力

・関連づける力

他の4つの発見力をそれぞれ鍛えることによりこの発見力も鍛えられること、アイデアの在庫(組み合わせのストック)が増えれば増えるほどイノベーションが増える。

・質問力

アインシュタインは「解答よりも、問題を提起することの方が重要であることが多い」と言っていた。
質問は、創造的洞察を促すための重要な触媒。
対象の実態を把握するための質問、対象を「破壊」する質問(「なぜ?」、制約を加える、制約をはずす)などを考える。質問ストーミングなどの手法もある。

・観察力

人類学者のように「用事」とそれを片付けるためのよりよい方法を探す。
顧客の「ワークアラウンド(回避策)」を探す。環境を変えて普段気付かないものに気付く工夫をする。

・ネットワーク力

同種の人ではなく多様な人と交流する。
異なる社会的ネットワーク同士を橋渡しする。
外部の専門家を活用する。私的なネットワークを構築する。

・実験力

試行錯誤を繰り返す。三つの実験方法(新しい経験に挑む、ものごとを分解する、実証実験や試作品)

>組織/チームの3つの枠組み

・人材

チームでそれぞれ補完し合ってトータルで5つの発見力と実行力を兼ね備える形だと高いパフォーマンスを出す。

・プロセス

イノベータの5つの発見力を持つ人材を取り入れるプロセス、発揮させるプロセスを導入する。
同じ程度の発見力を持った人材もプロセス次第でパフォーマンスが異なる。

・哲学

イノベーションに関する4つの哲学(イノベーションは全員の責任、破壊的イノベーションに果敢に取り組む、少人数の適切な構造で達成する、スマート・リスク(賢明なリスク)を取る)を持つ。

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