【ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則】
ジム・コリンズ (著), ジェリー・ポラス (著), 山岡洋一 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4822740315/
○この本を一言で表すと?
創業から長く、卓越した実績を残している企業の共通点を検討した本
○この本を読んで興味深かった点・考えたこと
・創業から50年以上経っていて、卓越した結果を出し続けている企業を抽出し、その共通点を導き出すというアプローチで様々な論点が提示されていました。
・全体として、「経営理念が如何に大事か」ということに触れられていました。
・経営者独自の能力でなく、組織構築が大事であると結論付けられていました。
・各章ごとに実践のための指針(キーポイント)が記載されていました。
○この本の概要
すばらしいアイデア⇒時を告げる
すばらしい企業⇒時計(システム)
「現実的」な「理想主義」⇒ORではなくAND⇒「基本理念」AND「進歩」
ビジョナリーカンパニーは「正しい」理念を持つ?⇒理念を「正」として業務遂行
基本理念
・生え抜きの経営陣
・カルト的文化
・一貫性(小さなことにこだわる、下手な鉄砲より集中放火、自身の流れに従う、矛盾をなくす、原則を維持して方法を編み出す)
進歩
・大量に試してうまくいったことを残す
・現状に満足しない
・BHAG(社運を賭けた大胆な目標)
○つっこみどころ
・1994年にアメリカで出版されたとき以降、しばらくは通用していた内容だと思いますが、2022年になって振り返ると、インターネットを始めとした大きなビジネス環境の変化・転換があってから、この本で紹介されている企業の多くが停滞し、50年以上卓越した結果を出し続けてきた企業でも土台となる環境の変化にはついていけなかったのだなと改めて思いました。
この本で紹介されていた原則も、特定の時期・条件にしか当てはまらない限定的なものだったということでしょうか。
この本でビジョナリー・カンパニーの事例として紹介されていた企業は、20世紀型のビジネスモデルでは21世紀には通用しなかった、という典型的な事例になってしまったようにも思えました。