【フレームワークを使いこなすための50問】レポート

【フレームワークを使いこなすための50問】
牧田 幸裕 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492501983/

○この本を一言で表すと?

 経営戦略の策定・実行・継続のためのノウハウが込められた本

○よかった点

・経営戦略の中身ではなく、どう策定し、どう実行し、どう継続させていくかについて書かれた本で、なかなかこういった本は少なく、コンサルタントや企業の経営企画部の人はもちろんのこと、管理職や一般社員の人も読んで得るところが多い本だなと思いました。

・質問から話が始まるので自分なりの回答を考えながら読めました。おかげで自分の答えと一致するところも異なるところもより頭に入ってきたように思います。

PART1 なぜ経営戦略は機能しないのか?

・経営戦略が機能しない理由が、「戦略を正しく策定できない=(分析を正しくできない+施策を正しく策定できない)」「戦略を正しく実行できない(経営戦略は他人事+戦略リテラシーがない)」「戦略を継続する根性がない(未来永劫機能する過剰期待+試行錯誤の根性の欠如)」と分けられ、それぞれについて説明していて分かりやすかったです。

・BCG―PPMを中心に全社戦略について詳しく説明されていて事業戦略との違いなども詳しく説明されていてよかったです。

PART2 なぜ現状分析は機能しないのか?

・日本企業は情報収集と現状分析を混同していることが多いというのはかなり思い当たるように思いました。3C分析やSWOT分析について、必ず外部から分析するべきだという順序とその理由(分析は自社がどういう手を打つかを検討するため)が書かれていて勉強になりました。

PART3 なぜ戦略策定は機能しないのか?

・戦略策定が機能しない理由として、日本企業は「良いモノを安く」型の戦略ばかりで他社との差別化が全くできていないことが多いこと、現状分析で明らかになったことを結び付けられていないこと、そもそも現状分析ができていないこと、などが挙げられていて、確かにそうだなと思いました。

・ポーターの基本戦略(コストリーダーシップ、差別化、集中)とコトラーの競争上の4つの地位(リーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワー)を採用すべき企業の属性や採用した企業の実例が載っていて分かりやすかったです。

PART4 なぜ中期経営計画は計画どおりに実行されないのか?

・私はこのPART4の経営戦略の実行と継続に関するところが一番面白く、また一番日本企業ができていないところだろうなと思いました。

・中期経営計画が「目標(定性的目標+定量的目標)」「達成プロセス(目標達成への課題・問題+目標達成への問題解決策+解決策実行の具体的スケジュール)」で構成されるべきという話はたしかにそうだなと思いました。

・日本企業の経営企画部がほとんど単なる調整役か集計役に過ぎないと、全体を通しても一番強く指摘されていますが、これも実感として思い当たるなと思いました。

・施策を現場の人の腹に落とすための3つのキモ「必要だと思えるか(ゴールの妥当性、目標達成手段の因果関係の明確さ、従業員の戦略リテラシーの向上)」「自分でできると思えるか(組織能力の妥当な評価、具体的なアクションプランの提示)」「やり損にはならないと思えるか(評価対象・評価基準の事前設定)」は、確かにどれも外さなければ現場も動きそうだなと思いました。

・WBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)を策定する際に、管理職の部下にもプロジェクトマネジメントスキルを学ばせることでタスクの設定や実行管理がうまく回るというのは納得できる話だなと思いました。

・実行施策を継続させるために、小さな成功体験を積ませることとフィードバックを評価するというのは当たり前なようでいてほとんど実践されていない重要なことだなと思いました。

PART5 経営戦略を機能させるための必須スキル

・戦略立案担当者に求められる4つの力(現状分析力、戦略策定力、戦略実行力、実行継続力)と自分の軸を持つことの大切さ、事業成功のキモを発見するための3つのトレーニング(自社のビジネス構造を理解する、様々な業種のビジネス構造を比較する、問題を創造する)、仮説思考力(仮説構築力、意思決定勇気力)、戦略を伝えるためのコミュニケーション力と粘り強さなどが挙げられていました。

○つっこみどころ

・フレームワークはあくまで一部でしか触れられておらず、主題の「フレームワークを使いこなすための50問」より副題の「なぜ経営戦略は機能しないのか?」の方がタイトルにふさわしいなと思いました。
「フレームワーク」と名付けた方が売れそうだという出版社の判断でしょうか。

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