【壬申の乱】レポート

【壬申の乱 天皇誕生の神話と史実】
遠山 美都男 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4121012933/

○この本を一言で表すと?

 記紀と人名から辿れる豪族等の記録から壬申の乱を分析した本

○よかったところ、気になったところ

・1996年出版の本ですが、ほとんど古さを感じませんでした。
あまり根拠資料の発見等はされずに、少ない資料を考察することで研究されている分野なのかなと思いました。

・壬申の乱とその前後に登場する人物や皇族について、それぞれその人名から出身氏族や後見人など洗い出し、そこから人間関係を導き出すというアプローチで、かなり深掘りされている内容だなと思いました。
同じ著者の「大化の改新」も同じアプローチでしたが勉強になりました。
天武天皇の皇子・皇女は、壬申の乱以前に生まれたものは大豪族に育てられ、壬申の乱以後に生まれた者は乱で活躍した少豪族に育てられているそうです。

・天智天皇の皇后、倭姫王が天智天皇と天武天皇の中継ぎだったことを重視していました。
即位はしていないものの称制はしていたと日本書紀にも書かれているみたいですが、同時代を扱う他の本では記述もされていないのが不思議に思いました。

・記紀には天武天皇を擁護する記述がされているという観点から記述を深読みしているのはなかなか興味深いアプローチだなと思いました。

・壬申の乱では条件としては大友皇子側が有利だったものの、ターニングポイントで何度も失策を犯し、結果失策の少なかった大海人皇子側が勝利したという敵失による結果だったのが印象的でした。

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