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【閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本】レポート

【閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本】
江藤 淳 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4167366088/

○この本を一言で表すと?

 検閲するための体制構築とその実施と効果について、資料を基に書いた本

○考えたこと

・実際にやり取りされた書簡を元に時系列で事実関係を述べていて興味深かったです。

・「検閲」という言葉やその意味をある程度知っていても、それをどのように実践するかを考えたことがなかったので、実際にどのような体制を構築してどのように実践していったのかが分かり、興味深かったです。

・何が検閲され、どういった資料が作成されて公表されたかが具体的に挙げられていたので、当時の雰囲気まである程度感じられたような気がしました。

・検閲するためには検閲実施する者とされる対象の言語が近いものか遠いものかがかなり大きな要素を占めていて、日本ではその要員を見つけることが困難だったこと、5,000人以上の日本人が協力したことなどは、なかなか考えさせられる話だなと思いました。

・情報統制に検閲と宣伝という2大分野があり、それを職務分掌として部署を分けて実施したアメリカの当時の担当者の判断力はかなり優れているなと思いました。

・予め検閲が必要と見越してかなり前から準備を進め、また報道関係者など民間人を責任者として抜擢していることは、よほど大きな戦略観を持っていないとできないことだなと思いました。

・検閲と宣伝により戦後日本の戦後史観がアメリカ側の意図に沿って作られていったというのはそれ自体が陰謀史観的ではありますが、これだけの一次資料を揃えて説明しているのはすごいなと思いました。

・「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」の話はかなり前に聞いたことがありましたが、Wikipediaでみると存在の証拠は公表されていないということから、事実関係の判断が難しいなと思いました。
そのようなものがあってもおかしくないような歴史観が日本にあるなとは思いますが。