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【毛沢東語録】レポート

【毛沢東語録】
毛 沢東 (著), 竹内 実 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4582761275/

○この本をひと言でまとめると?

 毛沢東の発言を細切れにして分類した本(でも歴史上トップ3に入るベストセラー)

○興味深かった点

・50億冊出版されているというのは中国の統計なので全く信用ならないですが、別の本で10億冊以上は出版されていて聖書に次ぐベストセラーだと聞いたことがあります。その本を読むことができて達成感を覚えました。

・1949年上期までの発言は指導者、組織の構築や運営をしている者として含蓄に富んだ話があるなと思いました。
人民と幹部(公務員のような意味で使われる)、共産党員が、どちらが上というわけではなく互いに学ぶべきことや威張ってはいけないことなど、組織にいるとどういう態度になりがちで、それを戒めるべきだと自覚している発言が多かったです。

・歴史上の大体の出来事を把握していると、どの年代に発現した内容なのかで、どういった出来事や状況を踏まえてのものなのかが見えてきて面白いなと思いました。

・「二六 規律」の三大規律と八項注意はどんな教育レベルの者にも分かりやすいように歌にしていたなど、全体に浸透させる術まで考慮していたというのは、構想からその実践まで考え尽くしていてすごいなと思いました。

・中華人民共和国成立までの毛沢東は戦争や組織構築・運営、全体の教育レベルの底上げや情報工作などの共産軍のトップとしての才能に加え、詩作や文章の作成などの多彩な才能を持っていて三国志の曹操を彷彿させる人物だと思いました。
中華人民共和国成立後の様々な悪政ぶりが有名になり、評価が両極端になりそうな人物だと思いました。
古典に詳しい人物だったようですが、老子の「功成り名遂げて退くは、天の道なり」などの言葉も知っていただろうに、やはりその立場になれば実践は難しいのだろうなと考えさせられました。

・それほど分かりやすい文章でも内容でもないと思いましたが、この内容を教育レベルに構わずひたすらに憶えさせたり唱えさせたりすることで、規範として、扇動しやすいツールとして機能していたのかなと思いました。

○つっこみどころ

・中華人民共和国が成立して以降、1950年代以降の発言がそれ以前と比べて中身がなく、フルシチョフを批判しているだけの発言などになって毛沢東が「妄沢東」になっているという印象を受けました。
1958年からの「大躍進」を知っているだけにその偏見も入ってしまっているのかもしれません。

・「共産党は・・・」「共産主義は・・・」「社会主義は・・・」「マルクス・レーニン主義は・・・」などという言葉が頻繁に出てきますが、その内容が説明されていないので主語を入れ替えてもそのまま意味が通りそうだなと思いました。
この本を読んだ中国人の中でどれだけの割合がその辺りを理解して読んだのかなと思いました。