【プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神】
マックス ヴェーバー (著), 大塚 久雄 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4003420934/
○この本を一言で表すと?
プロテスタンティズムの「倫理」と「資本主義の精神」を結びつけて考えることを追求した本
○考えたこと
・恣意的に用いているかもしれませんが、ある程度統計的なデータを基にプロテスタントがカトリック教徒よりも全体的に資産的に裕福であることなどを示しているのが興味深かったです。
・「資本主義」の定義で、利潤を追求する考え方は文明発生後から存在し、そのなかでも「近代資本主義」がプロテスタンティズムの倫理により、利益追求と禁欲的生活を並立させることで発生したというのは、なかなか面白い考え方だなと思いました。反証も挙げやすそうな考え方だとは思いますが。
・解説でこの本での「禁欲」とは日本的な非行動的な禁欲ではなくて行動的な禁欲であり、行動することで他の欲望を制する考え方だと書かれていて、プロテスタンティズムの「職業=天職」へ禁欲的に集中し、節制などの徳目と併せて資産形成をより進めて近代資本主義に繋がっていくというのは、一面的ではありますがそれなりに説得力のある流れだなと思いました。
○参考にならなかった所、またはつっこみどころ
・注釈のほとんどが原文に対する批判に対する反論で、そのボリュームがかなり多いのは、マックス・ウェーバーの負けず嫌いなところが出ているのかなと思いました。
・訳者解説がかなり丁寧に全体を解説していて、それをじっくり読んだだけで全体を理解できたような気になりました。
この本を読み終えたと主張する人の何割が解説で理解しているのだろうなと思いました。