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【ランドラッシュ―激化する世界農地争奪戦】レポート

【ランドラッシュ―激化する世界農地争奪戦】
NHK食料危機取材班 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4103280719/

○この本を一言で表すと?

 各国の農地争奪戦と取り残された日本について書かれた本

○この本を読んで考えたこと

・各国の取り組みとともに、海外でがんばろうとする木村愼一氏の努力が何度も取り上げられていました。
日本人でこれだけ農業に情熱を持って海外での生産に取り組めるというのはすごい人物だと思いました。

第1章 ウクライナ、争奪される肥沃な土地

・肥沃な黒土を持つウクライナへの各国の進出状況が取り上げられていました。
欧米を中心に既に20ヶ国ほどが進出しているそうです。

・ウクライナはソ連時代終了後の私有化で混乱し、自国では農業の立て直しができず、農場が捨て置かれていたそうです。
インドから千人移住計画が進められたり、カダフィ時代のリビアが投資を進めたりという進捗もあったようです。

・日本の木村愼一氏もウクライナで大豆を生産して日本に輸出しようと考えていたようです。

第2章 食料輸入大国、日本の蹉跌

・日本の食料確保のために、日本で外務省官僚が主導で商社を集めて「海外農業投資促進会議」を開催するものの反応が悪く、外務省と農水省が2トップで立ち上げた「食糧戦略本部」も動かず頓挫してしまったそうです。

・木村愼一氏主導で進めていたウクライナでの大豆生産も現地人が刈り取りで注意したことを守らずに頓挫してしまったそうです。(ウクライナでは大豆は飼料扱い、日本で納豆等の食料として使うと伝えていたが土を巻き込んで刈り入れたため使えず。)

第3章 国家ぐるみでランドラッシュに突き進む韓国

・ロシアの中で開発されていない極東地区で、ニュージーランド人が農地を買収し、それを日本の商社に買収しようと商談が進んでいたところ、韓国の現代重工業がさらっていったそうです。
地域的に高麗人が住んでいる地域で韓国と親和性があるのだとか。
韓国は自国では農業で失敗しているので進出せざるを得ない状況で、国家戦略として実施しているそうです。

第4章 狙われるアフリカ

・アフリカでは在住の民族の法的な権利が曖昧で、政府と外国企業の契約で土地の買収が決定し、追い出されるケースが多発しているそうです。
元々住んでいた民族は追い出され、追い出した企業に薄給でこき使われているそうです。
この本ではエチオピアとタンザニア(2050年には日本の人口を越える国)の事例が紹介されていました。

第5章 ランドラッシュの深層に横たわる「病巣」

・国際機関は概ねアメリカの出先機関になっていますが、世界銀行で「開発のための農業に関する知識・科学・技術についての国際的検証(IAASTD)」というプロジェクトチームが「岐路に立つ農業」という先進国の偏った農業貿易政策を指摘するレポートが提出され、アメリカ・カナダ・オーストラリアという穀物メジャーを利用して世界中に輸出している国だけが否認するという事件があったそうです。

エピローグ

・木村愼一氏が再起して今度はウクライナでコメを作り、日本食文化を現地で広める土台にするという計画を立てて出発するシーンで締められていました。