【炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす】
佐藤 健太郎 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4106037327/
○この本を一言で表すと?
様々な炭素化合物・有機化合物にまつわる歴史の本
○よかったところ、気になったところ
・炭素を「元素の王者」として、炭素が絡む化合物の発見とその影響について述べられていました。
・炭素そのものの説明から、炭素が地表及び海洋では重量比で0.08%しかないのに人体では18%を占めている等の存在比率、炭素化合物・有機化合物の化学式の説明からその効果など、化学に関する内容から歴史に関する内容まで広い範囲が扱われていて面白かったです。
・甘味、辛味、うま味など味に関わる有機化合物、ニコチン、カフェイン、エタノールなど嗜好品に関わる有機化合物、ニトロ、石油などエネルギーに関わる有機化合物など、炭素の関わる範囲の広さに驚かされました。
・尿酸が「天才物質」として推定され、否定されてきたものの、また脚光を浴びている話は意外で面白かったです。
・唯一炭素化合物ではないものの、炭素化合物に大きな影響があるものとしてアンモニアが取り上げられていました。
ハーバー=ボッシュ法など有名なトピックがありましたが、その影響も含めて考えると改めてすごいことだったのだなと思いました。
・参考文献が「○○の世界史」など、自分が今までに読んできた本と重なることが多く、あの本を参考にしたのかなとニヤリとしました。
○つっこみどころ
・イギリスでコーヒーを飛ばして茶が流行した、というような誤った記述は、コーヒーに関する世界史の本が参考文献になかったから抜けていたのかなと思いました。