【クリスマス・キャロル】レポート

【クリスマス・キャロル】
ディケンズ (著), 池 央耿 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4334751156/

○この本を一言で表すと?

 対照的なクリスマスの過ごし方をクリスマスの幽霊と見て回る偏屈な男の物語の本

○この本を読んで考えたこと、印象に残った話

・本のタイトルがかなり有名で、様々な本で比喩として述べられる「スクルージ」など、かなり前から気になっていた本ですが、読んでみてなんとなくこの本に対して抱いていたイメージと違っていて、それが面白く感じました。

・偏屈さが際立っていますが真面目で仕事一筋のスクルージが、最後は自身のあり方を変えて人への接し方、生き方を変えていって報われるのは良かったなと思いました。
スクルージの周りにいる人たちと比べてがんばっているのに報われないのはさすがに可哀想過ぎるように思えたので。

・生きていくのが大変な、産業革命時代のイギリスが舞台で、庶民のクリスマスに対する考えや期待が、ある程度過剰に書かれている話かもしれないですが、その日だけは贅沢をしたり家族で集まったりして笑顔になるという祝日のあり方が様々な角度から書かれていて興味深いなと思いました。
こういった文化と20世紀にニュースで見た、アメリカでクリスマスはクレジットカードで借金しても奮発して祝う文化が何だか似ているように思えました。

・スクルージの過去、現在、未来と、過去だけでもかなりスクルージの心の持ちようが変わっているのに畳みかけるように現在でプレッシャーをかけ、未来でスクルージの心に止めを刺しているのは、短い小説ながら迫力があるように思いました。

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