【舞妓の言葉――京都花街、人育ての極意】
西尾 久美子 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492044795/
○この本をひと言でまとめると。
花街の人たちの使う言葉や慣習に込められた意味とそれによる作用をまとめた経営学の本
○気になった点
・各章末のコラムで「舞妓の言葉」と経営学の繋がりについての説明が詳しくされていてわかりやすかったです。
・15歳から20歳の女の子に対して、置屋や茶屋の人、芸事の師匠、舞妓・芸妓の先輩などがそれぞれの立場で教えていき、成長させていくシステムは見事だと思いました。
・舞妓と芸妓の違いを初めて知りました。舞妓の経験プロセスとその先の芸妓という選択肢についても初めて知りました。
・取材対象が「全国の」花街と書かれていましたが、京都以外にも舞妓や芸妓がいることを初めて知りました。
・京都の舞妓・芸妓が日本各地に出張したり、海外に出張したりすることもよくあるという話が印象的でした。
・「言葉」だけが舞妓を教え育てるシステムというわけではなさそうですが、「言葉」が花街が350年以上続いてきたシステムの一部が表出したものとして、そこからシステムを読み取ることができるという、著者の視点が面白いなと思いました。
・舞妓の接客業としての心掛けの面と、芸事のプロとしての心掛けの面、そしてそれらの成長プロセスの面を知ることができ、読みやすい本でありながら深い本だと思いました。
○つっこみどころ
・この本をジュンク堂で買おうとしたとき、経営学のコーナーではなく国内旅行のコーナーに置いてあって笑いました。
・目次の最後の「撮影協力」のところがシールで修正されていて、どういう事情があったのかを知りたくて無性に剥がしたくなりました。