【習慣超大全——スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法】レポート

【習慣超大全——スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法】
BJ・フォッグ (著), 須川 綾子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106312/

○この本を一言で表すと?

 小さな習慣、小さな行動にアプローチする手法を説明した本

○よかったところ、気になったところ

・平易な文章と、身近な事例で書かれていて、分厚い本ながら読みやすい本だったと思います。
まとめや図表なども頻繁に登場してそれもわかりやすかったなと思いました。

・CHAPTER①まで読めば行動デザインの手法の概要が理解できる構成になっていました。
ただ、それ以降の内容で各要素が詳細に説明されていて読んでよかったと思います。
祝福についてはCHAPTER①で説明されていない重要な要素だと思いました。

・「B=MAP」の公式は覚えやすく、また確かにそうだなと思えました。
随所で出てくるフォッグ行動モデルの行動曲線の図式も理解しやすかったです。

・M(モチベーション)が必要な要素ながら、一番頼りにならないという話は自分には衝撃的でした。
モチベーションを重要な要素として考えてきましたが、モチベーションの波が大きいことは、どれほど意思の強い人でもそうでしょうし、読み進めているうちに納得できていきました。

・行動の説明が多く、習慣の説明が少ないようにも思いましたが、習慣化することでA(能力)が向上して実行しやすくなるということはかなり重要なのだろうなと思えました。

・P(きっかけ)については、今まで行動・習慣を考える中で考慮に入れていなかった要素で意外でした。
自分の意思で、と考えるときっかけでないようにも思えましたが、自己由来・他者由来等、きっかけの種類もいろいろありそうで、実際そうかも知れないなと納得できるように思えました。

・小さく始めるということが全体として主題とされていました。
簡単に誰にでもできる、他者もできるようにできる、というと胡散臭く思えてしまいますが、できるレベルまで小さくして取り組むというアプローチは合理的であるように思えました。

・意図的に習慣化するだけでなく、意図せずに悪習慣を形成する方向にも「B=MAP」の公式が適用されるというのは興味深いなと思いました。
良い習慣と悪い習慣ではM(モチベーション)の点で、悪い習慣のほうが根付きやすそうだと思いました。

・祝福について、イギリス人と日本人は自分を祝福することが苦手と書かれていてなるほどなと思いました。
習慣定着の要素としての祝福は意外なほど重要な要素であるようにも思えました。

○つっこみどころ

・ダイヤモンド社らしく、ミスリードを誘発する邦題だなと思いました。
原題の「TINY HABITS」は小さな習慣という意味で、内容もそのとおりだと思いましたが、「習慣超大全」という邦題は全く内容に一致していないように思えました。

タイトルとURLをコピーしました