【知の逆転】レポート

【知の逆転】
ジャレド・ダイアモンド (著), ノーム・チョムスキー (著), オリバー・サックス (著), マービン・ミンスキー (著), トム・レイトン (著), ジェームズ・ワトソン (著), 吉成真由美 (その他)
https://www.amazon.co.jp/dp/4140883952/

○この本をひと言でまとめると。

 知の巨人のインタビュー集

○興味深かった点

・第一章のジャレド・ダイヤモンドの著作「銃・病原菌・鉄」「文明崩壊」 「昨日までの世界」 「危機と人類」は読みました。
複数の分野に卓越した人がどれだけ考えを展開できるのかということが実感できました。

・第二章のノーム・チョムスキーは言語学者でありながら政治や国際情勢などについてもいろいろな文書に当たって事実関係を確かめたうえで考察していてすごいなと思いました。

・第三章のオリバー・サックスは脳の構造と機能の関係をさまざまな事例を通して研究していて、「障害は悪いもの」という常識も疑ってゼロベースで考えているところがすごいと思いました。
エピジェネシス(環境が遺伝子の発現を制御する)は他の本でも書かれていて知ってはいましたが、サックスの立ち位置からの説明はとてもわかりやすくて具体的だと思いました。

・第四章のマーヴィン・ミンスキーは「MITメディアラボ」でも出てきましたが、「人工知能は有用になりうるか?」という問いにイエスと答えることができる説明をしてくれる数少ない人だなと思いました。

・第五章のトム・レイトンが設立したアカマイはテクノロジー系企業に触れた本で何度か出てきていて、それもシスコなどの有名企業と並列で書かれて出てきていたものの、結局何をしている会社かよく分かりませんでしたが、この本で初めてどういう会社かを把握することができました。

・第六章のジェームズ・ワトソンがDNAの二重らせん構造を発表した時の経緯は「人類が知っていることすべての短い歴史」ではワトソンとクリックはウィルキンズとフランクリンの研究成果をほとんど流用したのだと悪玉として書かれていましたが、当事者の意見を知ることができて良かったです。

・共通の質問で、宗教については意見が分かれながらも、教育については創造性を大切にすることが大事とほとんど一致していることなど、様々な分野で知性を持つ人たちが多様な意見を持つところと共通の意見を持つところなどが俯瞰できてよかったです。

○つっこみどころ

・P.128のオリバー・サックスの写真がスティーブ・ジョブズそっくりで驚きました。

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