【グロービスMBAクリティカル・シンキング コミュニケーション編】レポート

【グロービスMBAクリティカル・シンキング コミュニケーション編】
グロービス経営大学院 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478016682/

<全体として>

コミュニケーションの代表的な状況を挙げて、各状況を要素に分解して説明し、更に事例で具体例を出していて、良い本だと思いました。
この本を読んでいきなり「クリティカル・コミュニケーション」ができるわけではないですが、自分の現在のコミュニケーションを見直して、適用できる箇所を検討することを続けていれば身についていくものだと思います。

<各章の概要>

○第1章 コミュニケーションの原則

 ・コミュニケーションの7つの構成要素:目的、伝え手、受け手、コンテンツ、トーン、メディア、伝える状況

 ・良いコミュニケーションの条件:目的を達成する、コストパフォーマンスが良い

○第2章 伝達

 ・説明のプロセス:①準備を行う⇒②伝達を行なう⇒③フォローアップを行う

 ・受け手の理解に至るプロセス:①動機づけ(必要性を喚起する)⇒②理解促進⇒③理解

 ・プレゼンテーションのステップ:①資料作成(全体メッセージの決定⇒ストーリーラインの設計⇒スライドの作成)⇒②プレゼンテーションの実施(態度、話し方、アイコンタクト、説明の仕方に注意)

○第3章 説得

 ・説得のレバー:感情、規範(価値観や美意識)、利得の3つ

 ・説得力:説得のレバーの3要素、自分の思い(内発的動機)、状況に配慮したコンテンツ・トーンを掛け合わせたもの

○第4章 交渉

・交渉のプロセス:交渉構造(関係者、自分のミッション、相手の感情や規範、利害・争点)の把握⇒相手の心象風景に立つ、自分のミッションの確認⇒Win-Winの落としどころを探る⇒(フィードバック)

・利害の構造:限界値、BATNA(最も望ましい代替案)、ZOPA(交渉可能範囲)、参考値、目標値

・複数の争点を持つメリット:両者の満足度最大化、ZOPA創造、利得合計最大化、争点の定量化

・交渉の心理バイアス:不合理な固執、係留効果(アンカリング)、交渉の枠づけ(フレーミング)、手に入りやすい情報、自信過剰

○第5章 コーチング

 ・質問のメリット:考えることを促す、コミュニケーション活性化、された相手のコミットメント

 ・典型的なコーチングの目的:問題解決、正しい意思決定(又はそれらの能力の育成)

 ・問題解決のステップ:①What?⇒②Where?⇒③Why?⇒④How?(大枠)⇒⑤How?(具体的に)

 ・正しい意思決定を促す質問:結論を出すことを促す質問、根拠を問う質問、考慮すべき視点やオプションを広げる質問、具体的に考えることを促す質問

 ・質問の仕方のポイント:「わかりやすく質問する」「考え、答えやすくする」「心を開かせ、共感をつくる」

○第6章 会議

 ・会議のプロセス:①会議の前に意識合わせを行う⇒②会議を効果的に運営する⇒③フォローアップを行う

 ・①:会議のゴールイメージ・期待成果を共有する⇒参加メンバーの役割を明確化し共有する

 ・②:会議で何を実現するか(何を議論するか)を明確にし続ける⇒会議の内容を構造化する⇒タイムマネジメントを行う⇒最終的な意思決定を行う

 ・③:議事録の共有、決定事項のモニタリング、参加者に対する心理的ケア

<突っ込みどころ>

○パクリが多い

 ・第4章は出典が明確にされているが「ハーバード流交渉術」からかなりパクっている。

 ・第6章の参加メンバーの役割は出典に記載されていないが「会議が絶対うまくいく法」をそのままパクっている。

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