• 様々な本、様々な資格の話が盛りだくさん(の予定)

【FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣】レポート

【FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣】
ハンス・ロスリング (著), オーラ・ロスリング (著), アンナ・ロスリング・ロンランド (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4822289605/

○この本を一言で表すと?

  思い込みで留まってしまう原因と、それを打破するための考え方について述べた本

○面白かったこと・考えたこと

・とても読みやすく、とても得ることの多い本でした。最初のテストでは自信があったのにチンパンジーと同レベルで落ち込みましたが、自分もまた思い込みで留まってしまっていると気づくことができ、ファクトフルネスをしっかり学ぼうという気持ちになりました。

・各章末でファクトフルネスを実践するためのポイントがまとめられていてわかりやすかったです。

・この本が出版された時、メインの著者が亡くなっていたということを「おわりに」で知りました。末期の癌に冒されている中でこの本の執筆を続けていたというのはすごい話だなと思いました。

イントロダクション

・最初にサーカスの話が出てきて何につながるのかなと思いましたが、その後のいくつもの章で取り上げられる、わかりやすい事例でした。喉は管状ではなく平たい構造になっていて、剣を飲み込めるのは平たいからだという話は、レントゲンを見ると更にミスリードしてしまいそうで、いい例だなと思いました。

第1章 分断本能

・世界が分断されていると考えがちであること、それは大体の場合間違いであることが述べられていました。1965年のチャートを見て、イントロダクションの話と違うなと気づけましたが、イントロダクションを読んでいなければ自分も最近のチャートと言われてそのまま受け止めていそうだなと思いました。世界が裕福な世界と貧困の世界に分断されていると考えず、4つの連続したレベルに分けて考える見方と、それぞれのレベルを表すドル・ストリートの写真はわかりやすかったです。「平均の比較」「極端な数字の比較」「上からの景色」が注意すべきポイントなのだそうです。

第2章 ネガティブ本能

・ネガティブな情報のほうが頭に残りやすいこと、悪くなっていることには気づけても良くなっていることには気づきづらいこと、思い出が美化されやすいこと、「悪いこと」と「よくなっていること」は両立できることなどが述べられていました。

第3章 直線本能

・直線のグラフを見るとその先も直線になるという思い込み、増えているものはそのまま増えていくという思い込みなどについて述べられていました。人口推移などはいろんな本を読んだ上で自分もずっと増加していくイメージを持っていたので、実際には一定のラインまで到達するとほとんど増加しなくなるというのは驚きでした。

第4章 恐怖本能

・ある分野で何かトラブルが起こればその分野全体が危険なものと感じがちなこと、恐怖を感じる出来事が可能性や確率を無視させてその危険さが頭に残ることなどが述べられていました。海外のニュースを見てある国がかなり危険に思ったりすることは自分でもあるので、落ち着いて考えることが大事なのだなと思いました。リスクの考え方は知っていましたが、自分が恐怖にとらわれるとこの考えが頭から抜けそうだなと思いました。このERMのリスクの他にBCMの考え方も知ったからかもしれませんが。

第5章 過大視本能

・目の前で起こったことを過大視してしまうこと、感情的になり、冷静に考える人を批判してしまうことなどは自分でも結構あるかもしれないなと思いました。対象とそれ以外のものを比較すること、割り算で割合を考えてみることで、確かにそれを回避できそうだなと思いました。本には書かれていませんでしたが、自分の中の優先順位は何かを見つめ直すことも回避手段になりそうだなと思いました。ただ、自分自身は過大視本能から逃れることができても自分以外の周りの人を説得するのはかなり大変だろうなと思いました。

第6章 パターン化本能

・なにか共通点を見出すと他の点でも共通していると思い込むパターン化本能について述べられていました。自分も気をつけているつもりでしたが、宗教などの強い影響がある集団には特有のパターンが有るだろうと思っていて、ドル・ストリートの事例を見て収入面での差以外、ほとんど差はなかったことに気付かされました。何点か共通点を見つけてしまうとそこで思考停止してしまいそうで、なかなか避けることが難しそうな内容だなと思いました。

第7章 宿命本能

・あるものに対しては「変わらない」「ずっとそうだ」と思い込む、宿命本能について書かれていました。自分はそうではないと思っていても、他者はそうだと思い込んでしまう、少なくともそういう方向で考えてしまうというのは、意識している部分、意識していない部分を含めて結構ありそうだなと思いました。人も、国も、宗教も、文化も変わるもの、変わらないように見えるのは変化がゆっくり少しずつ起きているからだというのは、たしかにそうだなと思いました。

第8章 単純化本能

・何かしら解決策を思いつくと、何にでもそれを適用できると思い込んでしまう、「トンカチと釘」の話を知っていても、実は自分もトンカチの使い方を覚えたばかりの人と同じ、というのは結構ありそうだなと思いました。専門家だと自負しているからこそ、少し外れた分野でミスをしてしまう、というのも心当たりがあり、気をつけないといけないなと思いました。

第9章 犯人捜し本能

・何か悪いことが起これば犯人捜しをしてしまう、なにかうまく行ったときはヒーローを捜してしまう、というのは、これも結構ありそうだなと思いました。犯人捜し・ヒーロー捜しは周りの共感も得やすそうで、なかなかその影響から逃れるのは大変そうです。

第10章 焦り本能

・「いましかない」という焦りで判断が狂うというのは、それを利用する営業テクニックもあるくらいで、一般的でありながらこれもなかなか逃れにくいことだなと思いました。焦っていることを自覚すること、他に選択肢を考えることなど、心がけておかないと極端な対策等を採ってしまう結果に陥りそうです。

第11章 ファクトフルネスを実践しよう

・著者の体験した、コンゴの女性のファクトフルネスの話は、すごくわかりやすく、冷静さと勇気と知恵が発揮された事例だなと思いました。教育、ビジネス、報道、組織、様々な場面でファクトフルネスを駆使する機会があり、世の中の見方を変えていくのは誰でもやろうとすればできることなのだなと思いました。

○つっこみどころ

・著者の一人、ハンス・ロスリングが亡くなる直前までこの本の執筆を進めていた話が「おわりに」で出ていましたが、穿った見方をするとこれもまた、ファクトフルネスを試されているのかなと思いました。そのエピソードで読者が刺激されているのは過大視本能、宿命本能あたりでしょうか。

・メインの著者のハンス・ロスリングがせっかちでいつもイライラしているというのは文章からよく伝わってきました。それが持ち味になっていいカンジなのかなとも思いましたが。