【ビジネスは「非言語」で動く 合理主義思考が見落としたもの】
博報堂ブランドデザイン (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4048865307/
○この本を一言で表すと?
「非言語」領域の重要性を示すとともに、活用法まで書かれた本
○面白かったこと・考えたこと
・「非言語領域(無意識)が大事」という話はまともな本からいかがわしい本までいろいろな本で書かれていることですが、その根拠や実例等が豊富に書かれていてかなり説得力があるなと思いました。
第1章 「たとえ」は、なにを伝えているのか
・「たとえ」が重要というのはいろいろな本で書かれていますが、その重要性を具体例を挙げて書かれているのは分かりやすく、納得できました。
・「たとえ」で使用するイメージに結びつくイメージをまとめて伝える効率的な方法というのは、その相互に一致しないイメージによる誤解の可能性を含めても有用だと思いました。
第2章 大切なことは「非言語領域」に眠っている
・全てのことを「言語」で伝えられないこと、記憶も含めて「言語領域」より「非言語領域」の方が格段に大きいことは、何となく知ってはいましたが、「部屋に置いているものの配置が変わった時の違和感」の「たとえ」でより理解できたように思いました。
ここで「たとえ」によって理解できたこともその力を示しているなと思いました。
第3章 経済は「非言語」で動く
・「論理的で合理的」だけではビジネスが成り立たないというのは、現場で人とやり取りしている時は実感できても、自分で構想を練っている時などは抜けがちだなと思いました。
・非言語を「感情(情動、喜怒哀楽、気分)」と「感覚(五感、勘、直感、イメージ)」に分けて考えるのはより分かりやすいと思いました。
「言語」以外のこれらの「非言語」をうまく活用できれば、ビジネスにおいてもかなり有用だと思えました。
第4章 「非言語領域」から生活者の真のニーズをつかむ
・アンケートの文言に対する回答だけでなく、その回答に至る反応なども収集するというのは、実践するための負荷が比べものにならなさそうですが、効果的だろうなと思いました。
そういった手法も含めて、マーケティングを構想して実践できるなら、かなりの能力を持った人だと言えそうです。
第5章 アイディアとコミュニケーションに「非言語」を活かす
・「非言語」を利用したアイディアの出し方や相手に伝えるコミュニケーションの方法やその内容についても、手を動かして表現することや、そもそも「ブランド」がイメージの産物であることを考えると親和性があるなと思いました。
第6章 チームの限界は、言語の限界
・チームでの活動が難しいことはだれでも体験したことがあることだと思いますが、この章で書かれていた通り、「同意」ではなく「合意」が形成されるのなら、各個人で活動するよりもかなり効果的だろうなと思いました。
・ファシリテーターに「非言語」も含めて察する能力が必要としているのは、これまで他の本で読んだファシリテーターの資質のどれよりもハードルが高い気がしますが、それができるならそれだけでも十分なスキルだなと思いました。
第7章 非言語的自分になるために
・「非言語」についての理解を深めて活用することが書かれていましたが、バイオフィードバックなどの話は科学的でもあり、印象的でした。