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【ソーシャルインフルエンス 戦略PR×ソーシャルメディアの設計図】レポート

【ソーシャルインフルエンス 戦略PR×ソーシャルメディアの設計図】
本田哲也 (著), 池田紀行 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4048864432/

○この本を一言で表すと?

 様々な媒体やその組み合わせによって社会に影響を与える手法を書いた本

○面白かったこと・考えたこと

・マスコミやソーシャルメディア等の新旧のメディアの特性や、それらを組み合わせた「影響」に関する戦略の話は、あまりそちらの分野の話を知らなくても読みやすく、面白かったです。

・メディア戦略の対象を具体的にどのようなアプローチで社会に認知させていったのかがよく分かって良かったです。

序章 「ソーシャルインフルエンス」の時代

・影響力の与え方で「ベクトル」「範囲」「スピード」が変わり、そのためにチャンスとリスクの振れ幅が大きくなったという話はなるほどと思いました。

第1章 影響範囲をデザインする

・「認知領域」「非認知領域」の軸と、「関心・高関与」「無関心・低関与」の軸の「関心×認知マップ」は、各領域をうまく区分できるなと思いました。

・AISAS等の購買プロセスの最初の認知の前に、高い関心を持つからこその探索があるからこそ認知が生まれるということ、日常のものであればその欠乏が再想起に繋がることを置いているのは納得感がありました。

・クチコミの狭い範囲で強力なネットワークとマスコミの広範囲のネットワークの対比とその用途の説明がされていて分かりやすかったです。

第2章 ソーシャルメディアマーケティングのこれまでとこれから

・ソーシャルメディアが広告媒体としてそれほど発揮できていないことをその立ち位置自体から書かれていて納得感がありました。

・一歩ずつ引き込んでいく「ラダー・オブ・エンゲージメント」はソーシャルメディアが流行り出したころから似たようなことが言われていましたが、ソーシャルメディアとマスコミを戦略的に組み合わせ、長期的に影響力を発揮していく「オールウェイズオン」型の広告戦略はあまり聞いたことがなく、うまくいけばかなり効果を発揮しそうだと思いました。

第3章 「戦略PR」の登場

・「戦略PR」という言葉自体初めて知りましたが、ものを販売することを直接促進する広告ではなく、「空気」を醸成するために展開する戦略というのは、外れた時の効果のなさが怖そうですが、うまくいけば長期的なブームを作り出せそうな手法だと思いました。

・「チャネル設計のコツ」としてマスコミによる「おおやけ」感、ソーシャルメディアによる「ばったり」感、インフルエンサー(影響力のある第三者)による「おすみつき」感の3つが挙げられていましたが、同時に展開すれば確かに効果がありそうです。

第4章 「ソーシャルインフルエンス」を生み出す

・「自分ゴト化」「仲間ゴト化」「世の中ゴト化」の三段階と、それぞれに対するアプローチのやり方を実践例を交えて書かれていて分かりやすかったです。
自分の中のニーズを消費者に自覚させ、自覚した仲間同士の交流を促進し、潜在していたニーズが当然のことであると公のものにしてしまうという流れは見事だなと思いました。

第5章 ソーシャルインフルエンスの明日

・「ソーシャルインフルエンス」を展開できるスキルが今後さらに重要になっていくという結論は納得できる気がします。

○つっこみどころ

・「かなり広まった」「すごい影響力を持った」等の言葉が何度も出てきますが、どれくらいの話なのか、具体的な数字が書かれておらず、信憑性に欠けるところが多かったです。
また、本当にそれだけの影響力を持ったのか違和感があり、自分が良く知らない分野だからかと思いましたが、2012年に出た本で「Google+」がかなりの影響力を持ったツールとして書かれているのはやはりおかしいと思います。

・話の流れが、根拠がないまま、納得感がないままに「AだからB、BだからC」と繋げられているように思いました。結論は感覚的にも納得できるような気がしましたが、それまでの流れが信頼性を低下させているように思いました。

・第5章の「ソーシャルインフルエンス」を計測するステップ「Paid」「Earned」「Shared」「Owned」、展開するためのスキル「ジャーナリズム」「パブリック・リレーションズ」「ソシオロジー」「ブランドマーケティング」「ソーシャルテクノロジー」という結論に近いところで書かれていた話は、それぞれモレもダブリもありそうで、また「なぜ」それ何かが掴みとれず、分かりづらかったです。