ゼミナール経営学入門 「第7章 資本構造のマネジメント」

ゼミナール経営学入門 第3版
伊丹 敬之 (著), 加護野 忠男 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532132479/

第7章<資本構造のマネジメント>

1.資本市場との構造的関係のマネジメント

・出資と法人形態(無限責任、有限責任)

・株式会社:全部有限責任、持分譲渡性、会社機関の設立
 ⇒設立、改廃の容易、資源調達容易、権力関係を量的に定義
  ⇒経営者と出資者の対立(アダム・スミスも指摘)
    株主の支配力低下(所有と支配の分離):バーリ&ミーンズの研究⇒最大株主の所有比率
経営者支配(20%未満)、少数支配(20~50%)、多数支配(50~80%)、独占的支配(80%以上)

2.資金調達の選択

二つのタイプ:成長資金、緊急資金
・直接金融:株式発行、社債発行
・間接金融:銀行借入 ⇒緊急資金に向く ⇒メインバンク(クレジットライン確保)
・内部金融:利益留保

日本金融では戦後に直接金融が成長せず、間接金融中心に
⇒特異な変化:金利の高低だけでなく、関係性を重視に
⇒土地の担保性⇒バブルにつながった

3.資金提供者の構成と制御

・資本構成の選択

 内部資本の位置づけ⇒株主のもの、会社自体のもの
 財務リスク面において、借り入れは返済義務がある。出資金、内部留保はない。
 出資金は配当があるが、内部留保は配当もない。
 現金流出と費用・損金としての性格の違いにおいて、
 借り入れは損金、出資金、内部留保のコストは税引後利益から流出するのみ

・資本コストと経営の独立性

 資本コストは配当額だけでなく、株価の維持が最低限必要というコストを含む
 金を出すということは口を出すこと⇒借り入れの場合は銀行、出資の場合は株主
 株主の種類⇒安定株主(持ち合い、従業員)とそれ以外


<演習問題>

1.共産主義体制の国が市場経済へと移行する際に最初に行われる改革が株式会社制度の整備。その理由は?

⇒株式会社制度のメリット:改廃の容易、資源調達容易、権力関係を量的に定義⇒導入容易

2.「無借金経営」が企業の優良度の指標、という常識が生まれた理由(他人資本の有効性が顧みられない理由)

 ⇒財務リスク面において、借り入れは返済義務がある。出資金、内部留保はない。⇒安定資金
  ⇒日本では安全であることが重要視されているため

3.上場企業のこの30年間ほどの変化を調べ、その変化がどのような理由によって引き起こされたかを検討

  機関投資家の持ち株比率が上昇した。
  内部者持ち株比率が微増

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