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【睡眠負債 『ちょっと寝不足』が命を縮める】レポート

【睡眠負債 『ちょっと寝不足』が命を縮める】
NHKスペシャル取材班 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4022737638/

○この本を一言で表すと?

「睡眠負債」について様々な方向から述べた本

○この本を読んで興味深かった点・考えたこと

・たまたまNHKで「睡眠負債」についての番組を見て妙に気になっていました。
この頃たまに長時間寝てもまだ眠かったり、頭が働かないことが多くなってきて前に見た番組のことを思い出してこの本を購入しました。

・読んでみると思い当たることだらけで、「睡眠負債」を解消することで解決できるのであれば本気で取り組んでみようと思いました。

・「寝溜めは可能」「質の良い睡眠なら短時間でOK」などの自分の常識が尽く批判されていて爽快に感じました。

第1章 睡眠負債の脅威

・適切な睡眠時間が取れなければその分が負債となって積み重なっていく、「睡眠負債」の概要について書かれていました。

・章の最後の「睡眠負債」リスクチェックでは自分もバッチリ高リスクの得点でした。

第2章 減り続けている日本人の睡眠時間

・日本人の平均睡眠時間が他国と比較して短いという調査結果が載っていましたが、イメージ通りだなと思いました。

・睡眠負債について各国で研究が進んでいること、習慣としての睡眠時間と必要な睡眠時間にギャップがあることで睡眠負債が蓄積される「潜在的睡眠不足」は大いにあり得る話だなと思いました。
おおよそ1時間近く毎回不足してしまうようです。

・子供の睡眠負債こそが深刻だという話が書かれていて、最近の子供が宵っ張りになっている印象がありましたが、そのことが大きなリスクにつながっているそうです。

・社会的な時間と自身の時間が合わない「社会的ジェットラグ」、イライラしがちになること、自分を好きと思えなくなってくることなど、睡眠負債の影響は大きいなと思いました。

・睡眠をしっかりとれる子供の方が学力が高いこともそうだろうなと思えました。

第3章 睡眠負債と日常生活

・午後2時頃に眠くなる「アフタヌーンディップ」は睡眠負債蓄積の結果であり、「昼食後に胃に血が集まるから」などは研究結果で否定されているそうです。

・睡眠時間が短い人は顕著に注意力のテストで数値が下がるようですが、6時間睡眠の人でも8時間睡眠の人に比べて明確に注意力が落ちているというのは驚きました。
車の運転など、一瞬の不注意が命取りになる活動においても、かなりリスクが高まるのだそうです。

・バスケットボールの選手に対して1日10時間を目標に睡眠をとるようにした実験で、短距離走・フリースロー・3ポイントシュートの成果がどれも明確に向上居たという結果が出たそうです。

・ふと意識が落ちる「マイクロスリープ」と言われる症状はありふれたものですが、耐えられるものではなく、車の運転では飲酒運転よりもリスクが高いと考えられているそうです。

第4章 命にかかわる睡眠負債

・脳にはリンパ管が存在しないので、他の場所とは違う仕組みで脳脊髄液がグリア細胞を通して脳の中に入り込み、老廃物を取り込んで外部に灌流される、という「グリンパティック」という仕組みで脳が清掃されているそうです。
このグリンパティックは睡眠時に覚醒時の10倍活動が高まるそうです。
アルツハイマー病はこの「グリンパティック」によって排出される「アミロイドβ」が脳に蓄積されることで引き起こされること、睡眠不足であると明らかに蓄積されやすくなることが実験で証明されていて、蓄積されて凝集して沈着されてしまったアミロイドβはグリンパティックでも排出されず、不可逆的な変化となってしまうそうです。
このアミロイドβの蓄積は認知症発症前から蓄積が開始され、20~30年前から蓄積は始まっていて、40代頃から睡眠負債によって蓄積されること、40~50代の睡眠時間とその後の認知症発症率に正の相関があることが分かっているそうです。

・睡眠負債は腫瘍の成長を速くさせ、がんになる可能性も高めるのだそうです。
更にがんを殺すはずのM1マクロファージががんの仲間のM2マクロファージになってしま可能性も高まるのだそうです。
そうなるとがんの活動も加速して攻撃的になるそうです。
睡眠の質の低下も問題があり、睡眠時無呼吸症候群など睡眠関連質病のある患者はがんによる死亡率が高くなるそうです。

・他にも糖尿病、メタボリック症候群、脳血管障害、心筋梗塞等も睡眠負債が多いほど発症率が上がってくるのではないかと指摘されているそうです。

第5章 しっかり眠って生産性UP!

・睡眠時間を確保することで明らかに仕事の効率が上がった事例等が挙げられていました。
仕事の性質上、夜間に眠ることができない場合等でも今の状態より改善することは工夫次第で可能だそうです。

第6章 睡眠負債はこうすれば返せる!

・睡眠負債を返済する方法は「もっと眠ること」しかないそうです。
「睡眠時間は90分単位がいい」「ベッドで眠らなくても、目を閉じていれば眠っているのと同じ効果がある」「週末に寝溜めをすれば睡眠不足を解消できる」は割と自分も信じていたのですが、どれもあまり効果はないそうです。

・まだ週末の寝溜めは「もっと眠ること」に繋がるのでマシなのだそうですが、1日40分ずつ蓄積された睡眠負債を解消するだけでも1日14時間の睡眠を3週間続けてようやく返済できるくらいで、短期間で返済するのは非現実的という話でした。
また週末に寝溜めをしようとすると体のリズムが乱れてしまって調子が悪くなるそうです。

・体内にはペースメーカー的な働きがあるため、1時間早く寝て1時間遅く起きるくらいにして少しずつ返済する方が効果があるそうです。

・寝る前のスマートフォン・タブレット等の使用は、松果体から出る眠りを促すホルモンであるメラトニンの働きを抑えてしまうために止めた方がいいそうです。
朝起きて強い光を15秒以上見るとメラトニンの分泌時間がリセットされるので、太陽の光(太陽は直接目に入れずに)を朝しっかりみることが重要だそうです。

・他にも「食事の時間は一定に」「カフェインは寝る3時間前まで」「酒は寝る3時間前まで」「寝る2時間前からは強い光を避ける」「風呂は寝る30分前に」「寝室は18~26度で」「寝なきゃと焦らないこと」などが良い睡眠のための条件として挙げられていました。

第7章 睡眠の疑問すべて解決!

・睡眠「貯蓄」はきっぱりと「できません」と言い切られていました。
30代、40代で睡眠不足で過ごしてアミロイドβが沈着すると取り返しがつきませんが、それでも睡眠負債を返していけば症状の緩和はできるそうです。

・4時間半程度の睡眠でまったく体調が悪くならないショートスリーパーという人たちも存在するそうで、その人たちは遺伝子の突然変異でそれでも大丈夫になっている可能性があるそうです。
200人に1人くらいしか存在せず、仮に自分がショートスリーパーだと思えても、遺伝の問題なので親族に同じショートスリーパーがいない場合はショートスリーパーではないのに無理をしている可能性が高いそうです。

・分断した睡眠は効果が薄く、仮眠ではリフレッシュする効果はあっても睡眠負債は補えないそうです。

・日中に眠気を感じない人でも、長期間睡眠不足が続くと眠気の感受性が下がっていることがあるそうなので、十分な睡眠はとった方がよいそうです。

・二度寝は睡眠のリズムを崩すのでやめた方がいいそうです。
二度寝をするくらいなら夜間の睡眠にそれほど影響しない昼寝の方がいいそうです。

・どんなに質のよい睡眠をとっていても、時間が短ければダメなのだそうです。
時間の短さは質の高さでは補えないと心得た方がよさそうです。

・体を横にしていても睡眠時間にはならない、ときっぱり否定されていました。
起きている以上は老廃物の排出が不十分になり、睡眠負債が蓄積されるそうです。

・寝酒は脳の興奮を促し、睡眠の質が悪くなるため止めた方がいいそうです。

・カフェインの摂取について、アメリカでは子供と高齢者は午後3時以降は一切禁止と言われるほど影響の大きいものだそうで、健康な大人でも就寝3時間前までには止めるべきと書かれていました。

・寝ているときに体をピクピクさせるのはレム睡眠中の「ツウィッチ」という筋肉のけいれんで問題ないものだそうですが、ビクン、ビクンと大きな動きだと危険で睡眠時四肢運動障害の可能性があり、不眠につながるそうです。

・子供の寝相が悪いのは全く問題なく、むしろよく眠れている証拠だそうです。

・うたた寝をすると就寝時間が遅れがちになり、あまりよくないそうです。
認知症の始まりの頃はうたた寝がランダムに入ってきて、「サンダウンシンドローム」という夜中に睡眠と覚醒が入り混じったような状態になって異常行動をとることがあるそうです。
この場合でも睡眠のリズムをはっきりさせることで改善されることが多いそうです。

・仮眠では睡眠負債を返済できずリフレッシュ効果があるだけで、むしろ睡眠のリズムを狂わせる可能性があるそうですが、体を水平から60度以上の角度に起こして仮眠を取れば、睡眠にまで入らずリフレッシュ効果だけを享受できるそうです。

・カフェインは一日コーヒー2杯分までが限度で、それ以上はやめた方がよいということがかなりはっきりと書かれていました。

・夕食後や眠るより少し早い時間に眠くなって少し寝る、というのも避けた方がいいそうです。
昼寝と夜間の本睡眠以外はむしろ害悪となってしまうそうです。

・子供の睡眠負債の方がむしろ深刻になっているそうです。
子供と大人では必要な睡眠時間が異なり、子供の方が多く眠らないといけないことをしっかり把握してよく眠らせないと子供の日中の活動に大きな支障を及ぼし、将来に関わってくることがはっきりと述べられていました。

・40代で寝つきが悪くなったり睡眠時間が短くなったりして「年齢のせいかな?」と思うなら、それは誤解で高齢者と呼べるほどの年齢でなければ年齢以外の原因が考えられるそうです。

・夜寝られずに朝になってからでないと眠れない人はDSPS(睡眠相後退症候群)の可能性があるそうです。
高校生くらいから発症する人が多く、社会生活が営みにくくなり、不登校や五月病の原因になることも多いそうです。