【研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用】
黒木 登志夫 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4121023730/
○この本を一言で表すと?
研究不正の事例分析の本
○よかったところ、気になったところ
・研究不正については海外では研究されているものの日本ではほとんど研究されておらず、そのことについて危機感を抱いた著者が取り組んだそうです。
前作の「iPS細胞」を書いている時に取材相手だった笹井芳樹氏がSTAP細胞に関わって自殺したこともきっかけになっているそうです。
・捏造、改竄、盗用、生命倫理違反等の「重大な研究不正」とそこまでには至らないもののイエローカード的な「不適切な研究行為」に分けて書かれていました。
この2つは労働災害、医療事故と同様に「ヒヤリ・ハット」の関係にあり、前者の裏には後者の積み重ねがあるそうです。
・トップダウン型とボトムアップ型の研究不正があり、研究のトップが全体を巻き込む形と、優秀な研究員を装って上司も騙す形があるそうです。
・日本の捏造論文は世界有数レベルで、TOP10に数名入っているそうです。
大学の独立行政法人化以降、予算獲得の動機で急増したそうです。