【ニュースがよくわかる!「世界の情勢」地図帳】第2章レポート

【ニュースがよくわかる!「世界の情勢」地図帳】
ライフサイエンス (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4837979203/

<2章 経済情勢をガラリと変える≪21世紀の産業革命≫>

○電機産業

・1990年代後半から家電製品は韓国や中国の製品に押されている。
⇒韓国の「サムスン」「LG」、中国の「ハイアールが台頭」。サムスン1社で日本の大手9社合計よりも家電産業の売上が高い。

・韓国が電機産業に強い理由①国内競争が不要(大手が2社しかない)②意思決定が速い(財閥系が多いため、オーナーの一声ですぐに事が運ぶ)③新興市場への積極展開(国内市場が小さいため、海外しか選択肢がない)

・中国のハイアールは三洋電機との合弁会社「三洋ハイアール」を設立し、三洋の技術やデザインを吸収した。

○自動車産業

・アメリカのビッグ3は2000年をピークに下落。日本、ドイツ、フランス、イタリアも苦戦。

・中国、インド、韓国、ブラジルなどの新興国が台頭。2009年には中国が世界一位の販売数に。

・ビッグ3に対してスモール100と呼ばれるEV(電気自動車)の小さなベンチャー企業群。家電メーカーやIT企業が参入。
⇒アメリカの「テスラ・モーターズ」、中国の携帯電話の電池メーカー「BYD」

○航空会社

・LCC(ロー・コスト・キャリア、格安航空会社)の参入⇒きっかけはオープンスカイ(空の自由化政策)

・オープンスカイは1992年にアメリカがオランダと締結したのが最初。2008年にはアメリカ=EU間で締結。

・日本はオープンスカイに消極的(JAL、ANAへの配慮)⇒近年はオープンスカイを受け入れる方向に

・LCCの低価格は徹底したコスト削減で実現(予約をインターネットのみにして代理店手数料を削減、機内サービス有料、ラウンジ・機内誌の廃止 等)

・LLCに対抗して大手航空会社は航空連合(エア・アライアンス)を結成。

・3大アライアンス(スターアライアンス、ワンワールド、スカイチーム)⇒加盟国間で共同運航やマイレージサービス、ラウンジの共通化を図る。

○鉄道産業

・一度廃れつつあった鉄道が再び世界的なブームになりつつある。⇒その理由:CO2排出量が少ない(自動車の10分の1)、エネルギー効率が良く(自動車の6倍)原油依存度が低い

・アメリカは130億ドルの予算を投入して高速鉄道網を展開

・中国は「4縦4横」と呼ばれる高速鉄道計画を進めている。

・オリンピックやワールドカップを控えるブラジルでも高速鉄道導入計画を立案

・ロシア、インド、ベトナム、中東などでも続々と高速鉄道計画が浮上

・鉄道分野の市場規模は2020年までに22兆円まで拡大⇒鉄道車両輸出国(日本、フランス、ドイツ、韓国、中国など)の受注競争激化。

○原発ビジネス(東日本大震災前の情報)

・世界では「原子力ルネッサンス(復興)」と呼ばれる原子力発電所の建設ラッシュが起きていた。

・スリーマイル島原発事故(1979年)やチェルノブイリ原発事故(1986年)をきっかけに80年代後半から反・原発の流れに

・原油価格高騰や地球温暖化対策などの影響で、原発が「地球にやさしいエネルギー」と再び注目を浴びた。

・(震災前)原発は30ヶ国で432基が稼働、140基が建設・計画中、はじめて導入を検討する国が60ヶ国以上。

・建設・計画中の原発の内訳は、アメリカ9基、ロシア13基、日本15基、中国26基、インド14基。中東でも導入の流れ。

・原子力ビジネスをリードしたのはアメリカ(ウェスティングハウス、GE)とフランス(アレバ)

・日本の東芝、日立、三菱重工も世界のトップグループになる。東芝はウェスティングハウスを買収。日立はGEと、三菱重工はアレバと提携。⇒しかし受注競争において、日本はUAEでは韓国に負け、ベトナムではロシアに負けた。⇒他国は1国1企業で官民一体で勝負、日本は複数企業なので官民一体とはなり辛い。⇒ただし、ベトナムで官民一体の受注活動で2010年10月に落札に成功。

○宇宙ビジネス

・宇宙開発はアメリカとロシア(旧ソ連)が牽引してきた。⇒近年は中国やインドが参入してきた。

・中国は2003年に有人宇宙飛行に成功。2008年に神舟7号を打ち上げてアメリカ、ロシアに次ぐ宇宙飛行士の船外活動に成功。打ち上げロケットの長征2号は欧米並みの打ち上げ成功率を誇り、外国への技術提供も実施。高性能宇宙服「飛天」を開発。

・インドは1962年から宇宙開発に取り組み、1969年にバンガロールにISRO(インド宇宙研究機関)を設置。地球観測技術では世界一を誇る。

・日本はアメリカ依存の傾向があるため、独自の宇宙戦略は遅れている。

○兵器ビジネス

・戦争で儲ける国・・・上位国には国連常任理事国のアメリカ(1位)、ロシア(2位)、フランス(4位)、イギリス(5位)、中国(8位)が含まれる。2008年の世界金融危機でもアメリカは兵器輸出で前年比5割増の約380億ドルを稼いだ。

・アメリカでは軍需産業従事者が500万人。技術者や科学者の3分の1が軍事関連の仕事に従事。⇒軍需産業を縮小すると大量の失業者が発生。⇒アメリカは構造として戦争を必要とする国家(軍需産業は国益と一致)

・日本でも大手重機メーカー4社がイージス艦を製造。日本を代表するハイテク企業も武器製造に参入。

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