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【本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」】レポート

【本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」】
前泊 博盛 (著, 編集)
https://www.amazon.co.jp/dp/4422300520/

○この本を一言で表すと?

 客観的な情報から極端な意見に走る、日米関係の本

○興味深かった点

・極端な意見はともかくとして、今までにあった事件や条約等の内容について今まで知らなかったことに触れることができてよかったです。

・治外法権的な地位が在日米軍に文章上も与えられ、入国・出国の自由、裁判権の対象外、制空権などを在日米軍が確保している話はその権限の大きさに驚きました。
ニュースで在日米軍の兵士の犯罪が出ても裁けなかったという話がちょいちょい出ていましたが、その理由を理解できました。
返還前における沖縄での事件の多さには驚かされました。
また日本の旅客機の航路が変だなと思っていましたが、その理由が米軍基地の制空権のある地域を避けていたためというのは前に人伝にきいたことがありましたが、詳しく知ることができてよかったです。

・憲法の勉強をしていた時に、裁判権が立法権や行政権に関わる「高度な内容」には踏み込まないという最高裁判例がいくつも出てきましたが、その大元にアメリカの意向がかなり露骨に反映され、最高裁判所長官や検察庁のトップが用意された原稿を読まされていて、その判例が現在にまで活きているというのはなかなか考えさせられる話だなと思いました。

・日米安保条約、日米地位協定と、外務省のマニュアル「日米地位協定の考え方」の内容を知ることができ、どのような内容が設定され、どのような運用がなされてきたかを詳しく知ることができてよかったです。

○つっこみどころ

・全体的にかなり偏りのある文章だなと思いました。
「戦後史の正体」でもそう思いましたが、「戦後史の正体」とはまた違った方向の「Aは○○である、Bは○○である。よって全て○○である」というような極論や、事実から思い切り飛躍した結論を出すところはトンデモ本の領域かなとも思いました。
条文や資料に関する事実と著しく客観性に欠ける意見を読み分けるのが大変でした。

・歴史上、「定められていること」「文章上可能なこと」と「為し得ること」が異なることは結構あったと思いますが、この本の著者は「こう定められている=きっとこうする」と混同して考えている気がします。

・「こんな国は日本以外にない」という記述がかなり散見されましたが、他の国がどうなっているかを調べずに書いているのではないかと思いました。
勢いで筆が滑り過ぎではないでしょうか。