【アフリカ 動きだす9億人市場】
ヴィジャイ マハジャン (著), 松本 裕 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4862760538/
○この本を一言で表すと?
テンション高めのインド人経営学者が書いた前向きなアフリカ本
○よかった点
・ある状況に対する視点の違いが面白かったです。(インフラが整備されていない⇒それ自体がチャンス)
⇒電気がないから発電機、水がないから送水ポンプ
・アメリカのスラム街の学校でなく、アフリカの学校に寄付したオプラ・ウィンフリーの言葉(P.213~214)が良かったです。
⇒「アメリカの子はiPodやスニーカーが欲しい」「アフリカの子はお金やおもちゃより学校に行きたいから制服が欲しい」
・市場を組織化する、という考え方が良いと思いました。(第4章)⇒この考え方は日本でも活きると思います。
・在外アフリカ人がアフリカに富をもたらす、という考え方は形を変えて日本にも考えられるのではないかと思いました。
⇒海外で和僑になり、日本に還流する。
・ウブントゥ(あなたがあるからわたしがある)の市場という考え方は最近のマイケル・ポーターが提唱している「共通価値」に通じると思いました。原則はここに帰ってくるのかなと思いますし、自分もできるならこういうことを盛り込んだ事業をやりたいです。
○参考にならなかった所、または突っ込みどころ
・中国と並んでアフリカに進出している(しかも中国人ほど現地民と衝突していない)インドの学者が書いた楽観的過ぎる本だと思いました。(カントリー・リスクが無視とはいわないまでも軽視されている)
⇔但し、これもひとつの見方かな?とは思えます。アフリカの多様性に対する一つの切り口かなと。
・この本や他の本で描かれている「アフリカ」はまったく違う対象を描いているように思えますが、それは視点の違いだと思います。このいろんな視点でものごとを見つめる力をつけたいと思います。