【警察庁長官】レポート

【警察庁長官 知られざる警察トップの仕事と素顔】
野地秩嘉 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4022951419/

○この本を一言で表すと?

 警察庁長官のキャリアと仕事を中心に書いた本

○よかったところ、気になったところ

・最初に警察庁の組織概要について触れていてわかりやすかったです。

・警察庁は政治家ではなく国家公安委員会に管理されていてトップの警察庁長官も政治家ではなく警察官の中から国家公安委員会によって選ばれること、その仕組は戦後にGHQによって導入されたことは初めて知りました。

・犯罪も交通事故も減っているのに警察の仕事が増えていること、警察法で「個人の生命、身体及び財産の保護」が責務と定められていてこの領域の業務が増加し続けていること、どこまで警察に任せるのかの判断が曖昧なこと等、担当領域が不鮮明というのはたしかにそうだなと思いました。

・初代警察庁長官の斎藤昇がGHQから警察の組織と権限を守り、第3代長官の柏村信雄が警察は総理大臣・政治家の指揮下にないことをはっきりさせ、第6代長官の後藤田正晴が数々の重大事件に対応して警察庁の危機管理を確立した、という創生期の話は興味深かったです。

・5人の元長官と1人の元警視総監にインタビューした結果として、それぞれのキャリアと任期中に成し遂げたこと、重大事件への対応などが載せられていてそれぞれ興味深かったです。

・警察庁長官の任期は2~3年程度で、方針や施策を制定してそれを実行するには短いように思えますが、代替わりしても方針等を受け継いで実施されているのは興味深いなと思いました。

○つっこみどころ

・良い面や立派な面ばかりがクローズアップされていて、批判的な視点がほとんどなかったように思いました。

例えば國松元長官の先輩の秦野章元警視総監は革マル派で動労・JR労組において暗躍していた松崎明との繋がりなどもあったと思いますが、そういった負の側面は全く取り上げられていなかったことが気になりました。

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